「うつわ・あにゆある」創刊準備号 澁澤龍彦・塚本邦雄 他

 

秋と言えば、名月に傾ける団子と盃。そしてウツワ。

幻の冊子うつわ・あにゆある、創刊準備中が棚からぽとり。

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高名な古楽器製作者からイッセーミヤケ、我らが澁澤龍彦氏などなど。

ちょっと豪華過ぎるメンバーがそれぞれのウツワ観をアンケート形式に語ります。

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よく見れば編集サイドもゴージャスな顔触れ、この冊子を世にだした器皿産業様に乾杯です。

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英訳版とセットになっていたり繋がりの分からない各方面の人選と、どこか不思議なこの冊子。

大物達のエピグラムめいたウツワ観と相まって、秘密結社の機関誌のような雰囲気が、秋の夜長の枕元に妙に合うようです。

里見惇「桐畑」 太陽堂・大正10年初版


人の心の機微を鋭く観察し、あくまで善心に寄ろうとしたまごころ文士・惇。

素朴な装丁の桐畑、状態も良好に大正十年の発行です。



 

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紙の手触りがなんだかホロリと懐かしい。函もダメージ少なく残っています。

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この時代の本としては、本文デザインなどから現代的な印象を受けます。

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著者本人はかなりのプレイボーイだったようですが、故に自他の多くの心の軋みとも向き合って生きたのでしょうか。

それらに立って尚、優しい眼差しを保つ文章は、間違いなく美しい様々を読後の私達に残してくれます。

稲垣足穂・一千一秒物語双書「一千一秒物語」 絶版・帯付き美本

読み進める内に自ら神戸の山の手を酔っ払って歩いている錯覚に満ちてゆきます。

イメージの魔人・タルホの代表作「一千一秒物語」、透土社発行。

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当店も僭越ながら資料提供をさせて頂きました。

タルホの本にはやはり、こういった派手な装丁もピタリとハマります。

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毎回毎回、本を開く度に出会う扉の呼び掛けに、飽きもせず胸が高鳴ります。

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有名な作品は、多様な出版元の多彩な「同じ本」からお気に入りの一冊を見つけ出すのも読書家の愉しみで嗜み。

そう言ったお話も是非、当店のソファでゆっくりご相談できれば幸いです。

マンディアルグ 著/澁澤龍彦 訳「ボマルツォの怪物」 初版美本

幻惑的な筆さばきで現在もファンを増やし続けるマンディアルグ、に澁澤龍彦訳の蛇の道の王道的作品。

函帯付き、非の打ち所のない保存状態。大和書店初版本。

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背函、帯に勿論本文まで一切の焼けもなく。

マンディアルグ・澁澤が月下の岩より切り出す鮮やかな物語の造形を、邪魔の入らない余白の上でお楽しみ下さい。

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何となく日本人的な感覚でお化け屋敷的な印象も持ってしまうイタリア・ボマルツォ村の怪物公園。

そこに漂う哀しみや愛の幽かな語らいを、夏の終わりにこそどうぞお聞き逃しなく。

久生十蘭「眞説・鐵假面」 初版函帯

演出家としても知られる久生十蘭の翻案物、「眞説・鐵假面」。

桃源社の初版、函帯付きの美本が入りました。

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薄紙越しの色合いが艶っぽい、函帯に若干の傷みありですが本体は健康です。

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雑誌連載時の資料が巻末についています。

鐵假面と言えば黒岩涙香の翻案が有名ですが、久生案のスピード感ある眞説も読む愉しさに溢れています。

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口述筆記での執筆や演出家としての経験などからか、言葉のテンポや歯切れに味のある久生作品。

一風違った筆致の妙を味わいたい方に。

鐵假面、他数作品入荷しております。