特別編 夢人館「ゾンネンシュターン画集」 岩崎美術社初版帯極美
[書肆ゲンシシャ古写真展 蔵書コーナー出品書籍より]
ドイツと二度に渡る大戦が生んだ狂気の色彩と捩れゆくフォルム。
シュルレアリストの称賛を受けながらも、それすらからもアウトサイドを歩もうとした狂画家の貴重な画集、夢人館の光る功績。
書籍として丁寧に作られ状態は良好に、ページを繰ればめくるめく幻想、否、幻視の世界。
それが何なのかは辛うじて分かるがそこが何処なのか分からない、そこがどういう処なのか想像はつくがそれが何なのか、分からない。
理性による感知と感情にダイレクトに変換されるイメージ、いつか境目は溶け合い、奇異な色彩と形態の洪水に安堵を覚えはじめたら。
そこはもう、世界の外側かも知れません。
一人のアウトサイダーアートの作家を扱った画集としては異例なボリュームの本書は、資料としては勿論、ドコカへの旅のお供にもピッタリです。