田辺貞之助「夢想の詩学」 牧神社 昭和52年 初版帯

ユイスマンスやゴーティエなどの翻訳で知られ、膨大なフランス文学の翻訳に尽力した田辺貞之助。

夢想の詩学と題されたこの著作においては、その翻訳を通して得た多くの美が詳細に綴られています。

シンプルな函から抜ける、鮮烈な赤の表紙が見事なデザイン。

目次にはフランス文学の重要な人物の名が大量に並びます。

作品から、また人物から、物語に織り込まれたフランスの詩情が丁寧に読み解かれてゆきます。

海外文学の翻訳という難業に挑む文人の、深く繊細な洞察力。

そこから立ち現れる「夢想の詩学」に容易く耽溺できる、優れた書籍です。