臼井喜之介 「京都文学散歩」

京都で様々な文化人と交際をもち、出版局をかまえた臼井喜之介。

また同人誌を主催し、詩人としても活躍したその手腕で鮮やかに描かれた、今で言う京都本「京都文学散歩」です。

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写真も、その豊富な人脈を活かした貴重なカットがふんだんに使われており、資料価値も高い一冊。

桜色の函も美しいです。

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外をあるく時、町の景色の干渉を受けながら色々な想いが浮かんでは消えてゆくのが人の常ですが、今の町並みと当時の京都市街では、それらが文化人にあたえる影響もだいぶ違った物だったのでしょう。

温故知新、これからリトルプレスや出版を志す方にも是非知ってほしい人物の、柔らかい含蓄に富んだ作品です。

稲垣足穂・中村宏 「地を匍う飛行機と飛行する蒸気機関車」

貴重で稀稿で奇怪な書籍、稲垣足穂・中村宏の共著による「地を匍う飛行機と飛行する蒸気機関車」、タイトルだけでゾクゾクしてしまいます。

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ビニールの函カバーが彼らの宇宙の「ぬめり」のように感じるのは錯覚でしょうか?

挿絵・写真などからも濃密なタルホ・コスモロジーが溢れでています。

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状態はやや痛みがありつつも、貴重な一冊。

頭が痺れるような幻想・幻覚に満ち満ちた読書体験をお約束します。

「スター・カッスル」 稲垣足穂没後10年・追悼リトルプレス

没後10年の節目に刷られた「スター・カッスル」、様々なアーティストのタルホへの思いが詰まっています。

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サイケデリックで攻めたデザインや文字組、カラーリング。

キラキラとしたモチーフを好んだ足穂も、遠い空の星の上でこの本を歓迎したことでしょう。

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あがた森魚さん、熱く語る。

この冊子意外にも著名な物書きによるミニコミ・同人誌が多く創られている稲垣足穂は、やはり別の世界から来た怪人なのかもしれません。

澁澤龍彦・著 野中ユリ・装丁挿画 「夢のある部屋」

澁澤龍彦×野中ユリの黄金比がじっくり堪能できる「夢のある部屋」、帯の痛みすらほとんど見当たらない美本です。

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よく見ると、函と表紙・裏表紙が鏡合わせになっている所に、お二人の感性を感じます。

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鋭い感性で考察を積み重ねる「澁澤節」ももちろん素晴らしいですが、この本ではもう少し散漫に、奔放に、ビロードのチェアと夢想に身を委ねる著者の姿が見えるようで味わい深い一冊です。

その夢想の断片を切り取ったかのような野中ユリの挿画も見事。自室に篭ってページを手繰れば、彼らの夢を追体験するような贅沢な時間を与えてくれるでしょう。

澁澤龍彦・著 「夢の宇宙誌」

術出版発行の絶版本「夢の宇宙誌」、インパクトのあるエッシャーの表紙は覚えのある方も多いのではないでしょうか。

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中のカラーページも発色良く残っています。

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先代の当店店主が愛蔵していた一冊でもあります。

文庫版では味わえないゆったりと取られた余白と、鮮やかに対をつくるカラー頁の妙は、やはり原典だけの魅力。

資料を追いながら文を組み立てた著者の息遣いまで聞こえてきそうな、そんな雰囲気を感じさせます。

澁澤龍彦 「幻想の彼方へ」

正方形と端正な函絵、マーブル模様の表紙の造本がどこか石のような質量を感じる一冊。

澁澤龍彦「幻想の彼方へ」、初版美函美品です。

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函から引き出すと、キリッとこちらまで引き締められるような雰囲気です。

挿絵もたっぷり。

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見返しに使われているオレンジ色と函の赤いタイトルがアクセント。

造本通りに、冷静な中にもどこか熱にうかされるような美文がぎゅっとつまっています。