生田耕作・著「わが偏書記」 サバト館限定300部の内196番

生田耕作著作物の装丁の中でも日本的な趣きがよくでた後期の名作「わが偏書記」。

和紙造りの本文も美しい限定300部の内196番、極美完本です。

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秋にむかい少しづつ景色が枯れてゆく中、目が安らぐような質感・色合い。

書物を語る文人の暖かさ。

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折れや焼けもなし、和紙独特の読み味にこれからの読者の色々が積もるのでしょう。

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常に書物と人と、文化の触れ合う最中にいた著者の、熱く心地よい焚き火のような一冊。

忘れ物を取りにいくように繰り返し読みたくなる本です。

吉井勇 歌集「悪の華」 竹久夢二木版装丁・函

優美で整った語り口、爵位持ち、愛妻家。谷崎・白秋・啄木らと親交を持ち、耽美派ながら誠実な作風を極めた吉井勇の心象がこだまするような歌集。

竹久夢二の手による木版装丁に天金が麗しい一冊です。

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タイトル絵も残酷ながらどこか「粋」を感じさせる雰囲気。

1頁2首という贅沢な配置が吉井短歌の深みある言葉の響きを、より強く共鳴させます。

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約90年前、この本に心震わせたであろう少女の。鉛筆書きなので消せますが、遠い記憶に思いを馳せるのも古書の価値です。

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名のよく通った大文豪にも、志をともにした同人仲間がいて、その彼にもファンがいて、今に残る足あとがあり、いつか今の人達も。

この本もきっと、ずっと巡ってゆくでしょう。

澄んだ歌の内容も、美麗な装丁も、保存状態も全て良好。貴重な一冊です、オススメいたし升。

寺山修司「不良少女入門-僕の愛した少女」初版帯

日本文学史に残る「こじらせた」作家、寺山修司の少女観、そしてその源泉とは。

寺山修司「不良少女入門」、かわいい表紙もきれいなままの初版帯付き入荷しています。

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赤黒ベースの本体に少女の淡やかな白い肌、まったくもって映えます。

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一般的には「田園に死す」の白塗り学帽的なイメージの寺山修司の、ひたすら自分に必要な「美学」を貪っていた青春時代のお話がたっぷり。

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そして、ある意味二宮金次郎的なストイックさすら感じるその視線が投げられた銀幕に、物語の幕間の一瞬に、彼の目に焼き付けられたヒロインたち。

研ぎ澄まされた美しさは、いつの時代も不良とカテゴライズされるのかもしれません。寺山入門としてもオススメです。

谷崎潤一郎「鍵」初版極美

谷崎一流の流麗な言葉のパズル、心の組木細工が味わえる名作「鍵」。

中央公論社函付き初版、ほとんどダメージなしの極美本です。

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棟方志功の民芸調の装丁ながら、扉絵から感じる生々しく踊る命の芳しさ。

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挿絵も多く、スッキリとした印象のページ。故に活きてくる濃密な愛慕の物語・・。

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背徳を感じる程度には残る善性混じりの悲しい想い・愛欲と、それを軽々と越えて飛翔する罪深い恋のたくらみ。

映像化の機会も多かった本作は、心の危険な扉を開ける囁きも多々。どうぞお気をつけて読み進め下さい。

「うつわ・あにゆある」創刊準備号 澁澤龍彦・塚本邦雄 他

 

秋と言えば、名月に傾ける団子と盃。そしてウツワ。

幻の冊子うつわ・あにゆある、創刊準備中が棚からぽとり。

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高名な古楽器製作者からイッセーミヤケ、我らが澁澤龍彦氏などなど。

ちょっと豪華過ぎるメンバーがそれぞれのウツワ観をアンケート形式に語ります。

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よく見れば編集サイドもゴージャスな顔触れ、この冊子を世にだした器皿産業様に乾杯です。

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英訳版とセットになっていたり繋がりの分からない各方面の人選と、どこか不思議なこの冊子。

大物達のエピグラムめいたウツワ観と相まって、秘密結社の機関誌のような雰囲気が、秋の夜長の枕元に妙に合うようです。

里見惇「桐畑」 太陽堂・大正10年初版


人の心の機微を鋭く観察し、あくまで善心に寄ろうとしたまごころ文士・惇。

素朴な装丁の桐畑、状態も良好に大正十年の発行です。



 

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紙の手触りがなんだかホロリと懐かしい。函もダメージ少なく残っています。

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この時代の本としては、本文デザインなどから現代的な印象を受けます。

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著者本人はかなりのプレイボーイだったようですが、故に自他の多くの心の軋みとも向き合って生きたのでしょうか。

それらに立って尚、優しい眼差しを保つ文章は、間違いなく美しい様々を読後の私達に残してくれます。

稲垣足穂・一千一秒物語双書「一千一秒物語」 絶版・帯付き美本

読み進める内に自ら神戸の山の手を酔っ払って歩いている錯覚に満ちてゆきます。

イメージの魔人・タルホの代表作「一千一秒物語」、透土社発行。

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当店も僭越ながら資料提供をさせて頂きました。

タルホの本にはやはり、こういった派手な装丁もピタリとハマります。

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毎回毎回、本を開く度に出会う扉の呼び掛けに、飽きもせず胸が高鳴ります。

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有名な作品は、多様な出版元の多彩な「同じ本」からお気に入りの一冊を見つけ出すのも読書家の愉しみで嗜み。

そう言ったお話も是非、当店のソファでゆっくりご相談できれば幸いです。

久生十蘭「眞説・鐵假面」 初版函帯

演出家としても知られる久生十蘭の翻案物、「眞説・鐵假面」。

桃源社の初版、函帯付きの美本が入りました。

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薄紙越しの色合いが艶っぽい、函帯に若干の傷みありですが本体は健康です。

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雑誌連載時の資料が巻末についています。

鐵假面と言えば黒岩涙香の翻案が有名ですが、久生案のスピード感ある眞説も読む愉しさに溢れています。

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口述筆記での執筆や演出家としての経験などからか、言葉のテンポや歯切れに味のある久生作品。

一風違った筆致の妙を味わいたい方に。

鐵假面、他数作品入荷しております。

石津ちひろ・著/宇野亜喜良・挿絵 「アナグラム人名図鑑」

近年注目の高い回文や集字法と言った言葉遊び業界、そしてポップなアナグラム遊びは是非こちらでご堪能を。

たっぷりのウノ・イラストもボリューミーで欲張りな一冊。

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東西の著名人・文人の名前をアナグラムの指が一撫ですると…。

軽妙奇妙なイメージに宇野亜喜良のタッチも酒脱です。

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一見してそれと分からない技巧派から心の沼の底を探り当てるような作家まで、あらゆるカラーを引き出せるアナグラム。

この本に触発されて、お気に入りのノートにカナやアルファベットをばら蒔いてみる一日もきっと楽しいでしょう。

アンソロジー「悲歌」 銅林社・初版美本

詩誌ガニメデ等、日本の詩文化を支えてきた銅林社によるアンソロジー。

分厚くもエモーショナル、です。

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本造りもシンプルに丁寧に、掲載作家様への出版サイドの想いを感じます。

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90年代には何となく、空々しくも切実な痛みが白っぽい景色と共に思い出される感覚もあり。

時代という魔物にいつも最初に切り込んでゆく戦士「詩人」達が当時何を感じたのか、是非ページを繰って頂けますよう。