久生十蘭「眞説・鐵假面」 初版函帯

演出家としても知られる久生十蘭の翻案物、「眞説・鐵假面」。

桃源社の初版、函帯付きの美本が入りました。

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薄紙越しの色合いが艶っぽい、函帯に若干の傷みありですが本体は健康です。

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雑誌連載時の資料が巻末についています。

鐵假面と言えば黒岩涙香の翻案が有名ですが、久生案のスピード感ある眞説も読む愉しさに溢れています。

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口述筆記での執筆や演出家としての経験などからか、言葉のテンポや歯切れに味のある久生作品。

一風違った筆致の妙を味わいたい方に。

鐵假面、他数作品入荷しております。

石津ちひろ・著/宇野亜喜良・挿絵 「アナグラム人名図鑑」

近年注目の高い回文や集字法と言った言葉遊び業界、そしてポップなアナグラム遊びは是非こちらでご堪能を。

たっぷりのウノ・イラストもボリューミーで欲張りな一冊。

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東西の著名人・文人の名前をアナグラムの指が一撫ですると…。

軽妙奇妙なイメージに宇野亜喜良のタッチも酒脱です。

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一見してそれと分からない技巧派から心の沼の底を探り当てるような作家まで、あらゆるカラーを引き出せるアナグラム。

この本に触発されて、お気に入りのノートにカナやアルファベットをばら蒔いてみる一日もきっと楽しいでしょう。

アンソロジー「悲歌」 銅林社・初版美本

詩誌ガニメデ等、日本の詩文化を支えてきた銅林社によるアンソロジー。

分厚くもエモーショナル、です。

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本造りもシンプルに丁寧に、掲載作家様への出版サイドの想いを感じます。

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90年代には何となく、空々しくも切実な痛みが白っぽい景色と共に思い出される感覚もあり。

時代という魔物にいつも最初に切り込んでゆく戦士「詩人」達が当時何を感じたのか、是非ページを繰って頂けますよう。

須永朝彦「天使」 初版帯・署名入り 他初版本

吸血鬼・亡霊・天使や悪魔などの幻想界を生きる存在と、今もっとも親しく交際していると思われる作家・須永朝彦。

装丁も麗しく、短編集「天使」の署名入り美本、入荷しております。

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流石のコーベ・ブックス。色の組み合わせもステンドグラス風のデザインも、全てがこの本にマッチしています。

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澁澤作品や荒俣氏の著述とは、また違った密度と軽妙さのある筆致。

インクから立ち上る印象は、負けじ劣らず幻惑的な美しさに溢れています。

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その他サイン本、初版本など多数入荷いたしました。

月の匂いにむせ返ってなかなか眠れない、そんな夏の夜は未知の世界への妖しい扉を、氏の本を片手に潜ってみたいものです。

柳川春葉「生さぬなか(なさぬなか)」 木版美人画二葉付、美本

尾崎紅葉に師事し、泉鏡花らとともに門下四天王と謳われた達人・柳川春葉。

明治・大正にかけて大ヒットとなった連載小説の単行本。木版美人画2葉付きです。

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函・表紙の色彩の鮮やかさに圧倒されます、付属の美人画も額装して飾りたくなる出来栄え。

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当時の特徴的な文字遣い・装飾は、100年後の今にさらに味わい深いです。

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再婚や継母との複雑な関係など、女性や恋愛に対して独自の苦楽を味わった春葉。

美人画への拘りの源を考えると、遥か明治大正をいきた文豪も、少し近く感じるようです。

木水彌三郎「四行詩集・花逢ふ」 サバト館・限定350部・手書きの句一葉付き

サバト館刊行、限定56/350部の物。手書き一句一葉付き。

木水彌三郎・花逢ふ。

桐箱を思わせる白いケースに汚れのひとつもなし、です。

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極めて贅沢に、そして文字に没頭する感覚に沿って配置された詩行と余白。

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高潔なまでに研ぎ澄まされた作者の筆から最大限のイメージを引き出すような丁寧な造本。

そしてその上で澄みきる詩人木水の言葉の舞踊。素晴らしい上作です。

藤原月彦「盗汗集」 端渓社・限定100部・自筆書き込み一句

内省的かつ、鮮やか。

美文としての句を自己の結実に極めた藤原月彦「盗汗集」、端渓社より刊行の限定100部。

手書きの一句も胸を締めるようです。

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状態、ほぼ新品。

花の闇も鮮やかに、この本にまだ生き生きと。

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本の造り自体から受ける古風な印象とは裏腹に、言葉はただただ純粋で、美しく。

若い読書人の色々なスイッチを入れてしまいそうな、危うくも美しい感情がつまっています。

澁澤龍彦「エピクロスの肋骨」 福武書店・初版完本 

今は亡き文豪・澁澤龍彦の、今は無き出版社・福武書店より出した遺作「エピクロスの肋骨」。

初版帯、読書カード付き、痛みもなく極々上等な状態です。

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挿し絵の白黒の切れ間も鮮やか、それと対比を描く幻覚的に軽やかなイメージの飛翔。

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この読書カードは、今出せば誰に届くのでしょう。

読むにつれてどこか遠くて行きたくなるような一冊、この夏のお供にもオススメです。

山口椿「ナージャとミエーレ」 リブロポート/トレヴィル・初版美本

1990年初版発行、山口椿による「ナージャとミエーレ」。

若きアーティストと少女たちの瑞々しくも退廃的な交際を描いた作品です。

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ミルキィ氏による装丁も品がありつつも高揚を誘い、流石です。

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現代的な文字組、余白の取り方ながら読書にすうっと入っていける印象。

ページ上部の装飾もこの本の為にデザインを降ろしたのでしょう。贅沢。

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装飾や装丁、書籍全体から感じるヨーロッパな雰囲気が小説世界とうまく噛み合い、完成度の高い一冊に仕上がっています。

この本に描かれる物語はすこしオンラインでは…ぜひ店頭でご賞味下さいませ。

吉増剛造 詩集「わが悪魔祓い」


大御所・吉増剛造の若き日のパッションが滲み出る、青土社刊行「我が悪魔祓い」初版美本です。

函のデザインから攻めてます。

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扉にはミラー紙・サイケデリックな色彩のイラストを配し、本文の質量を感じるような凄みを引き立てています。

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1970年代の文学的熱狂の中で言葉を研いだ氏の、イメージの切り取り方の源泉に触れる感覚。

詩を志す方以外にも、多くの方に刺激を与えうる作品です。