生田耕作訳「イレーヌ」 訳者署名入り・極美完本

ど真ん中な1冊を、完全な状態にて。

生田耕作訳、ルイ・アラゴン「イレーヌ」サバト館、初版極美月報新刊スリップ付き訳者署名入り完本、ビニールでパックされ書棚にて保管中。

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無駄のない骨太な装丁、店内照明にピカピカと光り。

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表紙から本文、帯にいたるまでヤケ・ヨレの一つもなし。

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本は読まれる為の物とは分かりつつも、美しい書籍には触れるのが怖い読書家にはつきもののジレンマ。

しかし大切な一書にては、ページを開く時の姿勢も自然と丁寧に熱を帯びるのかも知れません。

澁澤龍彦「悪魔の中世」 初版帯美本

澁澤龍彦の貴重な大型本。

多くの図版も楽しめる「悪魔の中世」、帯背にヤケはあれどそれ以外は極美状態の美しい書籍です。

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しっかりと厚みのある用紙にカラフルに刷られた図版たちは、著者の変幻自在の筆さばきを支える重要な要素。

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本文頁にもモノクロの図版を挿し込み、密にして細な思考世界へ容易く没入してしまいます。

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こういった図鑑的に手間のかかる書籍の出版が文学界にもまだまだ多かった当時の豊かさに目を細めつつ。

やはり読んでいて楽しい澁澤節に、読み手も無邪気になれる良書です。

松本完治訳「マルティニーク島 蛇使いの女」 献呈署名入り

エディション・イレーヌ渾身のブルトン/マッソン作品「マルティニーク島 蛇使いの女」。

当店先代・佐々木一彌宛て献呈署名入りの、美しい1冊です。

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松本先生のどこか洒落た字体、親しみのある筆跡。

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翻訳者としての矜持を感じる、詳細にして正確な訳註。

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著者・作品への深い理解により紡がれ、豊かに溢れだす美文。イメージの結実。

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今年のブルトン没後展での活躍も記憶に鮮やかなエディション・イレーヌと訳者・松本完治。

こちらの美しいシュルレアリスム作品も、是非多くの方に耽溺して欲しい1冊です。

生田耕作・高橋祥太郎共訳「マキャベリ」 みすず書房刊行初版献呈署名入り

生田耕作、高橋祥太郎共訳、マルセル・ブリヨン著「マキャヴェリ」。

当店先代・佐々木一彌宛て献呈署名入り本です。

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柔らかい筆跡です。

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ビニールカバーに包まれ、美しい状態に保たれています。

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専門書らしく、細かな字、二段組の密度。多くの思考を伝える、知識の象。

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美も芸も、そして商いも。生きる事は内実があってこそと。

今年1年を振り返りつつ、首を垂れたくなりました。

背筋の伸びる様な、そんな硬質な思考と言葉にみちみちた1冊です。

及川茂訳「ベルトラン散文詩集 夜のガスパール」 初版函美本

散文詩の成立に深く寄与し、またボードレールに影響を与えもしたベルトランの記念碑的名詩集。

及川茂訳にて86年書肆風の薔薇版、遠く聞こえるラヴェルの旋律。

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深いグリーンの函に背の小さなラベルのみ、デザインより漂う拘り。

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タイトル通り、夜の空気を強く感じる古色豊かな幻想的詩世界。

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現在の水声社の前身となった意欲溢れる出版社の気概に溢れる1冊。

流れ、とめどなく溢れる美しい言葉の泉を堪能して頂ける良著です。

澁澤龍彦訳 マンディアルグ「城の中のイギリス人」 白水社・初版帯つき極美

マンディアルグ作品と言えば生田耕作訳、と連想してしまいます。

しかし勿論、生田耕作氏によって広く浸透したその美しさには多くの文人が挑戦してゆきます。

img_20161126_181422-1600x898澁澤龍彦訳による「城の中のイギリス人」、白水社刊行。入荷しております。

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コンテンポラリーな造本ながら随所に感じるセンスが心地よいです。

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底本を撮影、若しくはスキャンしての印刷なのでしょうか。

注意書から感じる澁澤版としてのオリジナルの再現性への拘り。

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多くのフランス幻想文学愛好家を生み出した生田版「城の中のイギリス人」。

澁澤龍彦による訳は彼の混沌の美をどのように彫刻したのか、ファンならずとも未読の方は必見の一冊です。

萩原厚生譚 ピエエル・ルウイ「妖婦クリシス」 大正13年再版・発禁本

補修跡も痛々しく、そして誇らしく。

萩原厚生訳によるピエール・ルイス「アフロディーテ」(妖婦クリシス表記)、大正期より発禁本の入荷です。

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カヴァーの破れをタイトルシールで塞いだりと、この本の辿った過酷で、そして愛に満ちた歴史を窺わせます。

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発禁印、血のように紅く。

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海外文学輸入の急先鋒として目にする機会も多い春陽堂、その陰に積まれた多くの悲劇の一冊。

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当時の基準とは言え、発禁処分に付されたルイスの名著、田辺の秀訳。

100年ほどの時を傷付きながらも生き抜いたこの本には、愛されるべき確かな美文が今も収まっています。

田辺定之助訳 テオフィル・ゴーチェ「スピリット」 初版極美 

目に見えないものたちの美と神性を極めて鮮やかで表情豊かな描写の内に留める事に成功した傑物・ゴーチェ。

田辺定之助の名訳により1866年の幻想美が現代の風景の中にまたも宿ります。

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黒をベースにしたシンプルで重厚な造りは、過剰な誇示を嫌ったゴーチェ本人も気に入るのではないでしょうか。

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かっちりとした印章を受ける文字組も原作者の好みを反映した様、こうした厳格さにむしろ馴染んで行く幻想の奔放さはゴーチェの本領でありましょう。

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月報付きの極美本、夜にふる雪のように白いページ。

ベットサイドにそっと置いて愛でたくなる一冊です。

生田耕作訳 A.P.マンディアルグ「ポムレー路地」 サバト館初版極美訳者署名刊行時新刊スリップ付

生田耕作の代表作にしてマンディアルグの代表作、そして恐らくサバト館が最も刷った本の1つ。

押しも押されぬ「ポムレー路地」、今もこの本からマンディアルグ、そして生田耕作作品と出逢う方も多いのではないでしょうか。

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一目見てそれと分かる、品格ある完成された表紙デザイン。

青みを帯びさせ刷られたモノトーンの写真に気概を感じます。

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豊富な写真と合わせて繰り出される猥雑で混沌とした、品のある哀愁。幻想に至る痛み。

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この本には鈴木書店扱いの新刊スリップもあり、書店の一般流通網を通すファン層の拡大も伺えます。

現代においても活発な熱量を持つファンや作家、研究家たちが、その美学を継承しています。

様々な意味で美しい1冊、どうかこの本もそんな人たちに渡りますように。

松本完治訳 ラトヴィン・イヴシック「あの日々のすべてを想い起こせ」 エディション・イレーヌ発行、ブルトン没後50周年記念刊行品 訳者署名入り完本

先日のシス書店様におけるブルトン没後50周年記念イベント。

フランス大使館の全面的なバックアップを受けての「シュルレアリスム集大成」に相応しいその大舞台にて刊行された、記念刊行物4種の内の1冊。

現在の京都が誇る巨人・松本完治の妙訳にて、ブルトンの最期を看取ったイヴシックの熱く静かな回顧録です。

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白い本が2つ、赤い本と緑の本が1つづつ。

こちらは白の片方にて、小ぶりの1冊。ながらも漂う、書籍としての存在感。

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写真も豊富に、晩年のブルトンの仔細な呼吸が、思考の足音が、モノトーンな紙から聞こえてくるようです。

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ブルトンのサインの横に、松本完治の署名。誰よりも生田先生に見せたかったのではないでしょうか。

今は生田耕作署名本の納まったガラスケースに並べております。

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しかし、回顧録であり没後展における刊行物であれど、この書籍はシュルレアリスムの未来を真っ直ぐに指向する輝度に満ちています。

これからの芸術、文芸を担い、味わう方にこそ是非読んで頂きたい1冊です。