生田耕作訳 A.P.マンディアルグ「ポムレー路地」 サバト館初版極美訳者署名刊行時新刊スリップ付

生田耕作の代表作にしてマンディアルグの代表作、そして恐らくサバト館が最も刷った本の1つ。

押しも押されぬ「ポムレー路地」、今もこの本からマンディアルグ、そして生田耕作作品と出逢う方も多いのではないでしょうか。

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一目見てそれと分かる、品格ある完成された表紙デザイン。

青みを帯びさせ刷られたモノトーンの写真に気概を感じます。

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豊富な写真と合わせて繰り出される猥雑で混沌とした、品のある哀愁。幻想に至る痛み。

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この本には鈴木書店扱いの新刊スリップもあり、書店の一般流通網を通すファン層の拡大も伺えます。

現代においても活発な熱量を持つファンや作家、研究家たちが、その美学を継承しています。

様々な意味で美しい1冊、どうかこの本もそんな人たちに渡りますように。

松本完治訳 ラトヴィン・イヴシック「あの日々のすべてを想い起こせ」 エディション・イレーヌ発行、ブルトン没後50周年記念刊行品 訳者署名入り完本

先日のシス書店様におけるブルトン没後50周年記念イベント。

フランス大使館の全面的なバックアップを受けての「シュルレアリスム集大成」に相応しいその大舞台にて刊行された、記念刊行物4種の内の1冊。

現在の京都が誇る巨人・松本完治の妙訳にて、ブルトンの最期を看取ったイヴシックの熱く静かな回顧録です。

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白い本が2つ、赤い本と緑の本が1つづつ。

こちらは白の片方にて、小ぶりの1冊。ながらも漂う、書籍としての存在感。

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写真も豊富に、晩年のブルトンの仔細な呼吸が、思考の足音が、モノトーンな紙から聞こえてくるようです。

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ブルトンのサインの横に、松本完治の署名。誰よりも生田先生に見せたかったのではないでしょうか。

今は生田耕作署名本の納まったガラスケースに並べております。

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しかし、回顧録であり没後展における刊行物であれど、この書籍はシュルレアリスムの未来を真っ直ぐに指向する輝度に満ちています。

これからの芸術、文芸を担い、味わう方にこそ是非読んで頂きたい1冊です。

泉鏡花「斧琴菊」初版美本

生田耕作による紹介や幻想文学ブームなどを経て、現在また愛読者を増やす泉鏡花。

雪岱の装丁も美しい「斧琴菊」、初版の物が入りました。

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極めて品の良い配色にモチーフ、経年の痛みも軽度に済んだ良い保存状態です。

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開く姿も美しく、書斎の灯りや木材の背景に収まります。

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日本の幻想文学の最初の一人とも目される泉鏡花が日本的なる美より取り出した夢の結晶は、時を経るほど美しさを増して、読者の前に何度でも姿を現す様です。

秋の涼しく長い夜にこそ開きたい、厚手の一冊です。

バタイユ「松花状眼球」 生田耕作訳・署名 サバト館初版極美完本

バタイユの傑作「松花状眼球」、生田耕作訳署名入り・サバト館。

当店らしいと言えばこの上なく、サバト館含めた色々な美装本への最初の一冊としても人気の作品です。

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落ち着いた深みのあるグリーン、大きくとられた余白、無駄な情報の一切がない表題、文字組。

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耽美的である事、という事と極めてシンプルである事。

バタイユの描く余分な肉を落としたような純粋な松花状眼球のエロスに、機械的なまでにカチリ、とはまります。

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訳者による構成案を巻末で辿れるのも本書の魅力。

芸術の在り方を探る読書の徒の杖に、きっとなりうる良書です。

鈴木泉三郎 戯曲集「ラシャメンの父」大正八年初版/著者献呈署名・生田耕作旧蔵印

日本の戯曲界をリードした劇作家、鈴木泉三郎の代表作「ラシャメンの父」。

1920年刊行、著者から生田耕作へ宛てた献呈署名入りの物。

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函に剥がれなどありますが、本体は愛書家・生田らしく美しいままに残っています。

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ざっくりとした文字の癖が、ニヒルもダンディも越えた著者のおおらかさを感じさせます。

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刊行当時は生まれていなかった事を考えると、その後お二人が出逢ってから署名をお願いしたのでしょうか。

日本に戯曲が息づく初期段階の名作は、きっと若き文学青年に多大な霊感を与えたのでしょう。背景含めて、麗しい物語が綴じられています。

 

木水彌三郎「秋の雪」 サバト館限定300部の内144番 著者署名入り極美完本

ひり、と冷たい雪。寒さを意識しはじめるこの季節にこそ。

生田耕作が愛した、澄んだ、澄んだ、言葉の結晶体。

サバト館より、木水彌三郎「秋の雪」。

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白と黒、これ以上ないと感じる程の簡潔で高潔な装丁。

著者の人柄を感じる柔らかい毛筆の味、選び抜かれた言葉はページ、そして書物そのものを透き通らせてゆくようで、ぐっと胸に迫ります。

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この時期のサバト館の赤いナンバリングには、何故か心を落ち着かせるような雰囲気があります。

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逸る雪、秋の雪。

読者の情緒も感性もこの真っ白な器に乗せて、いざ美文の季節へ進みましょう。

ただひたすらに美しい、そんな書物です。

生田耕作・著「わが偏書記」 サバト館限定300部の内196番

生田耕作著作物の装丁の中でも日本的な趣きがよくでた後期の名作「わが偏書記」。

和紙造りの本文も美しい限定300部の内196番、極美完本です。

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秋にむかい少しづつ景色が枯れてゆく中、目が安らぐような質感・色合い。

書物を語る文人の暖かさ。

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折れや焼けもなし、和紙独特の読み味にこれからの読者の色々が積もるのでしょう。

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常に書物と人と、文化の触れ合う最中にいた著者の、熱く心地よい焚き火のような一冊。

忘れ物を取りにいくように繰り返し読みたくなる本です。

生田耕作一周忌 特別編集誌 「忘れられた詩人に捧ぐオマージュ」

日本に於けるフランス文学の普及に務め、惜しまれながらも旅立った生田耕作。

氏の一周忌に捧げられた極々簡素で美しい書物。

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凛としたご夫人の挨拶状にも、キラキラと氏の手が添えられているよう。

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翻訳者として多くの埋もれそうな名作美文を見つけ出し、ランプの照らす机の上で読者と楽しんできた氏の喪失は限りなく大きく悲しく。

そしてまた次代の文芸への確かな萌芽をもたらした氏の偉業を、ゆっくりと確かめる事ができる一冊です。

生田耕作・訳/山本六三・装画 「バタイユ 大天使のように」重版美本

生田耕作訳によるバタイユ作品。

重版物ですが状態良好、山本六三作品でも特に人気の高い大天使シリーズの装画が楽しめます。

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表紙に押し加工、意識が転倒させられるような眩暈感あり。

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美文、美画、美装丁。文芸書に求められる全て。

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幻想文学にこそ必要なシャープな切れ味、切り立った陰影。

それらを強く紙上に立ち上らせる名著です、重版につきリーズナブルにお求め頂けますのでどうかお早めに。

ブレーズ・サンドラール著/生田耕作訳「リュクサンブール公園の戦争」 サバト館・献呈署名入り

スイスに生まれ、第一次世界大戦の後はフランスに生きた詩人・サンドラール。

サバト・イクタの名コンビが、戦争で片手を失いながらも激動の時代を生きた文化人の言葉を鮮やかに切り取ります。

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状態良し。

白昼夢のような印象を受ける詩人の言葉に、真っ白な装丁がよく合います。

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デフォルメの効いたキスリングの挿絵。楽しげな人物の輪郭がどこか不安を煽るよう。

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夏といえば8月15日という日付を連想する方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

激しい戦場を経験しながらも洒脱に生きた詩人の筆致に、夏の日は色々を思いたくなるような気がします。