鈴木泉三郎 戯曲集「ラシャメンの父」大正八年初版/著者献呈署名・生田耕作旧蔵印

日本の戯曲界をリードした劇作家、鈴木泉三郎の代表作「ラシャメンの父」。

1920年刊行、著者から生田耕作へ宛てた献呈署名入りの物。

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函に剥がれなどありますが、本体は愛書家・生田らしく美しいままに残っています。

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ざっくりとした文字の癖が、ニヒルもダンディも越えた著者のおおらかさを感じさせます。

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刊行当時は生まれていなかった事を考えると、その後お二人が出逢ってから署名をお願いしたのでしょうか。

日本に戯曲が息づく初期段階の名作は、きっと若き文学青年に多大な霊感を与えたのでしょう。背景含めて、麗しい物語が綴じられています。

 

木水彌三郎「秋の雪」 サバト館限定300部の内144番 著者署名入り極美完本

ひり、と冷たい雪。寒さを意識しはじめるこの季節にこそ。

生田耕作が愛した、澄んだ、澄んだ、言葉の結晶体。

サバト館より、木水彌三郎「秋の雪」。

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白と黒、これ以上ないと感じる程の簡潔で高潔な装丁。

著者の人柄を感じる柔らかい毛筆の味、選び抜かれた言葉はページ、そして書物そのものを透き通らせてゆくようで、ぐっと胸に迫ります。

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この時期のサバト館の赤いナンバリングには、何故か心を落ち着かせるような雰囲気があります。

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逸る雪、秋の雪。

読者の情緒も感性もこの真っ白な器に乗せて、いざ美文の季節へ進みましょう。

ただひたすらに美しい、そんな書物です。

生田耕作・著「わが偏書記」 サバト館限定300部の内196番

生田耕作著作物の装丁の中でも日本的な趣きがよくでた後期の名作「わが偏書記」。

和紙造りの本文も美しい限定300部の内196番、極美完本です。

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秋にむかい少しづつ景色が枯れてゆく中、目が安らぐような質感・色合い。

書物を語る文人の暖かさ。

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折れや焼けもなし、和紙独特の読み味にこれからの読者の色々が積もるのでしょう。

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常に書物と人と、文化の触れ合う最中にいた著者の、熱く心地よい焚き火のような一冊。

忘れ物を取りにいくように繰り返し読みたくなる本です。

生田耕作一周忌 特別編集誌 「忘れられた詩人に捧ぐオマージュ」

日本に於けるフランス文学の普及に務め、惜しまれながらも旅立った生田耕作。

氏の一周忌に捧げられた極々簡素で美しい書物。

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凛としたご夫人の挨拶状にも、キラキラと氏の手が添えられているよう。

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翻訳者として多くの埋もれそうな名作美文を見つけ出し、ランプの照らす机の上で読者と楽しんできた氏の喪失は限りなく大きく悲しく。

そしてまた次代の文芸への確かな萌芽をもたらした氏の偉業を、ゆっくりと確かめる事ができる一冊です。

生田耕作・訳/山本六三・装画 「バタイユ 大天使のように」重版美本

生田耕作訳によるバタイユ作品。

重版物ですが状態良好、山本六三作品でも特に人気の高い大天使シリーズの装画が楽しめます。

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表紙に押し加工、意識が転倒させられるような眩暈感あり。

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美文、美画、美装丁。文芸書に求められる全て。

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幻想文学にこそ必要なシャープな切れ味、切り立った陰影。

それらを強く紙上に立ち上らせる名著です、重版につきリーズナブルにお求め頂けますのでどうかお早めに。

ブレーズ・サンドラール著/生田耕作訳「リュクサンブール公園の戦争」 サバト館・献呈署名入り

スイスに生まれ、第一次世界大戦の後はフランスに生きた詩人・サンドラール。

サバト・イクタの名コンビが、戦争で片手を失いながらも激動の時代を生きた文化人の言葉を鮮やかに切り取ります。

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状態良し。

白昼夢のような印象を受ける詩人の言葉に、真っ白な装丁がよく合います。

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デフォルメの効いたキスリングの挿絵。楽しげな人物の輪郭がどこか不安を煽るよう。

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夏といえば8月15日という日付を連想する方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

激しい戦場を経験しながらも洒脱に生きた詩人の筆致に、夏の日は色々を思いたくなるような気がします。

生田耕作より 手書き色紙「ぎをんにて」

生田耕作による手書きの色紙、祇園の宴席にて書かれた物のようです。達筆。

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墨絵のタッチも柔らか、日本文化全般に愛着を持った氏の穏やかな横顔が見えるよう。

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忙しい現代では宴席で歌をしたためる、どころか想いを込めて手で文字を記す、と言う行為が中々に遠くなっているかも知れません。

読書好き、本好きとして、一度ゆっくりと自分の言葉を持ち直したくなるような、清い印象の一枚です。

扇子 生田耕作より金子國義へ「ぎをん酔唄」

生田耕作による手書きの唄が附されたやや大振りな扇子、味のある筆遣いが華やか。

生田と画家・金子國吉が祇園に飲みに出た際に書かれた物です。

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艶っぽい水色が雰囲気です、ヨーロッパではエロチックなカラーと言えばピンクではなく薄いブルーらしいですが果たして…。

耽美派の巨匠二人の酒席ではどんな会話がなされたのか。

残された歌ひとつのみぞ知る、ですね。

澁澤龍彦より生田耕作へ 私信・全10枚組み

澁澤龍彦から生田耕作へあてた手紙、全10枚組の物。

文豪から文豪へ、ファンにはたまらない品です。

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澁澤氏の丁寧で、しかし静かな熱意を感じる筆致が、二人の間に在るある種の強い絆を感じさせます。

当時、彼らが何を感じ、必要としていたか。作品だけでは読み取れない色々な心がつまった非常にメモリアルな手紙です。

生田耕作所蔵 バタイユ「息子」

生田耕作所蔵・バタイユ「息子」の原典本、生田氏の旧蔵印付です。IMG_20160530_183236-1600x898

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小さく簡素な作りながら、ヨーロッパらしい端正なフォントや文字組が気品を感じさせます。

生田氏の旧蔵印だけは実に日本的で、そのギャップも良い雰囲気。

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こういった書籍とにらめっこしながら翻訳作業に没頭したアーティスト・生田の情景が目に浮かぶようです。

こういった版型・余白の取り方は、現在エディション・イレーヌ様が得意とされていますね、横書きのアルファベットならではの味にあふれるブックデザインです。