中原佑介「大発明物語」 美術出版社 初版函
日本の美術評論における巨星として、国内外にて多くの美術展覧会にも活躍した中原佑介。
こちらの書籍にては、自動人形や永久機関など、正統な科学史から抹殺された「大発明」を詳細にレポートしています。
目次から漂う、大真面目な遊び心。
図版も非常に多く、また各写真資料の膨大な出典を明記し、資料としても非常に濃い物となっています。
澁澤や種村の紹介する奇怪なオートマタや噴水、機械仕掛けの存在たち。
アカデミックな視点を忘れずに、かつロマンを持ってそれら夢の機械を語る、やわらかい偏愛に溢れた一冊です。