邦枝完二「絵入り草子 おせん」 小村雪岱装丁挿画 新小説社初版函美本 

幼少期より育まれた日本的な世俗情緒より出でて、恐るべき美の世界を作り上げた代表作・おせん。

小村雪岱の装丁挿画による、1934年刊行の一冊。保存状態もとても良好です。

函にやや経年のイタミがありますが、雪岱の挿画、本文ともに美しいまま保存されています。

函や挿画にて印象深い青の発色、80年を越えてなお艶やかなその色彩には、何かの秘密が宿っている様です。

当時の国内文学の隆盛を支えた多くの新聞連載作品の中でも異彩を放ち、現代にも愛好家の多い邦枝完二の作品群。

その麗しい官能の極致として、非常に優れた一冊となっています。

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