臼井喜之介 「京都文学散歩」
京都で様々な文化人と交際をもち、出版局をかまえた臼井喜之介。
また同人誌を主催し、詩人としても活躍したその手腕で鮮やかに描かれた、今で言う京都本「京都文学散歩」です。
写真も、その豊富な人脈を活かした貴重なカットがふんだんに使われており、資料価値も高い一冊。
桜色の函も美しいです。
外をあるく時、町の景色の干渉を受けながら色々な想いが浮かんでは消えてゆくのが人の常ですが、今の町並みと当時の京都市街では、それらが文化人にあたえる影響もだいぶ違った物だったのでしょう。
温故知新、これからリトルプレスや出版を志す方にも是非知ってほしい人物の、柔らかい含蓄に富んだ作品です。