稲川足穂「ヴァニラとマニラ」 仮面社初版函

後期タルホ文学の名作・ヴァニラとマニラ。

サドに始まり天体、機械、少年愛を巡る銀色の飛行体。

きっちりと詰められた文字、厳格な放蕩。

多くのタルホ的モチーフを溢れさせながら夜空を流れる、方舟めいた作品。

後期著作への入り口としても最適ではないでしょうか。

 

寺山修司「絵本・一千一夜物語」 宇野亞喜良・挿絵 天声出版初版

寺山修司オリジナル・一千一夜にはより怪奇な存在が宿る様です。

宇野亞喜良の官能的な挿絵と、天声出版より。

荒唐無稽、予測不能ながら美しい秩序を感じる寺山の文章に、挿絵の甘美な曲線が絡みつく様です。

折り込みピンナップも野心的な名著。

是非のご一読をおすすめ致します。

鹿島茂「レ・ミゼラブル百六景」 初版美本

当代随一のフランス・マニアにして愛書狂、鹿島茂による初期の著作。

素晴らしい木版図版も豊富な一冊です。

味わい深い木版挿絵、滑らかな鹿島語り。

背表紙にいたるまで抜かりないデザインになっております。

そして圧巻、書籍掲載の木版画家一覧。

現在も精力的に執筆を続ける鹿島茂氏、この本からも強い情熱と愛を感じます。

クロード・セニョール「黒い櫃」 山田直・訳 創土社初版函

ある想念の黒い塊。

知る人ぞ知る幻想文学者、クロード・セニョールの著作。函帯月報付き美本です。

訳者はヴァレリーの訳作品を多く送り出した山田直。

かなり分厚い本ですが、魅了される様な言葉の数々を追う愉しみを逆に煽り立てる、存在感ある良書です。

星川清司「小村雪岱」 平凡社・函付き初版

未だ謎多き画家・小村雪岱。

その生涯を数多の文人の言より描きだした星川清司の名著、初版函美本を入荷しております。

美しい装丁、雪岱画のセレクトも情緒溢れる物です。

鏡花、荷風、瀧太郎…、文人たちの語る言葉によって浮かび上がる画家の穏やかな人柄と、穏やかな芸術家たちとの交流。

近年注目の高まる雪岱装丁本への眼差しをより深くする、ファン必携の一冊です。