種村季弘「影法師の誘惑」 冥草舎 初版1500部発行函帯付き美本

童心に潜む影の世界、幼年期の妖しい美学。種村季弘の誘う子供の世界。

冥草舎より初版1500部発行の貴重な一冊。

シンプルな装丁ながら、革背装に堅牢な函、厚手の本文用紙に書物への敬愛を感じます。

図版、資料画像なども多く、より克明に子供たちの失われた幻想の世界を再発見してゆきます。

風景や玩具、ふとした何かとの邂逅に突然思い起こされる幼年期の神秘な感覚。

それらを頼りに読み進める本書の魅力は決して戻れない場所への想いを強く揺さぶるようです。

塚本邦雄「星餐圖」 人文書院 初版函帯月報栞付き極美本

唯一無二の塚本短歌、その不滅の輝き。

塚本邦雄第七歌集「星餐圖」に収められた星々の甘く鋭利な一閃。

頁ひとひらに歌ひとつ。その凛々しく鮮やかな言葉の数々。

付録の栞まで一切のヤケ、シミもなく、ビニールカバーで函も保護されています。

感幻樂、詩歌變など歌集タイトルにも独自の耽美を表す塚本文学。

「星餐圖」のタイトルに相応しい、キラキラとして艶やかな歌の目眩く一時をお楽しみ下さい。

ジャン・ド・ニノー「狼憑きと魔女」 工作舎 初版帯付き

独特な選書によりユニークな海外の書籍を多く翻訳した工作舎よりジャン・ド・ニノーによる作品が入荷しています。

「狼憑きと魔女」、魔術からフォークロアまでを鋭く考察する名著。

多くの資料、引用を用いて炙り出される魔なるものたちの輪郭。

本文装飾なども章ごとに変えられ、凝った造りになっています。稀少な図版も多く収録。

近年また盛り上がりを見せ、SNSなどでも拡がりを見せる魔術や呪いの文化。

多くの出典資料とともに、それらの世界へ潜る際への手引きにお薦めを致します。

澁澤龍彦「城=カステロフィリア」 金子國義挿画 白水社 初版月報読者カード付き美本

国内外問わずの「城」への偏愛。金子國義挿画の豪華なタッグにて。

書斎からの外出を始めた時期の澁澤龍彦のお城訪問記は、新鮮さと円熟した筆致が味わい深い一冊。

カバー、本文、読者カードに至るまでヤケなどもなく状態良好です。

挿画部分は薄紙にて保護され、カラー印刷。盟友の画業への心遣いも美しいです。

目次に並ぶ大量の城の名前を追うだけでも愉しくなってきます。

城という開かれた地域の象徴でありながら密室としての側面を持つ存在。

その魅力を生き生きと語る言葉にあっという間に引き込まれる良書です。

山本芳樹「わが密室を彩る画家たち」 中外書房 初版

大正の世に生まれいち早く海外の耽美幻想芸術に親しんだ著者による圧巻のエロス蒐集。

中外書房刊行、1979年。

モロー、バイロス、ベルメール。お馴染みの作家から、ラビッスやトレモアなどマニアックな作品を圧倒的な量の図版と共に紹介。

不恰好なまでに頁にみっしりと詰め込まれた作品の数々から立ち上るコレクター的熱量。

こんな密室を持つことが出来れば、もう二度とそこから出たくはなくなるだろう、と思わずにはいられない。

扱う作家はどれも深い闇を纏えども、幸福感に満ちた一冊です。