相澤啓三 著 / 横尾龍彦 畫「魔王連祷」 1975年 西澤書店初版 帯付き

ボードレール著「悪の華」を挟んで対峙する、詩人・相澤啓三と美術家・横尾龍彦の精神が衝突する。

暗く重く、熱い一冊。

呪詛にも祝詞にも通ずる、ヒリヒリと心を苛む言葉と、フェリシアン・ロップスの描く悪徳の如く心胆寒からしめる版画の暴威が紙上でせめぎ合います。

別刷りのタイトル索引など、書籍自体も凝った造りで、良書を多く作り上げた西澤書店らしい仕事と言えます。

現代のコラボレーションや共作とは一風違った味わいの本作は、若かりし二人の作家だからこそ作り得た強靭さを感じ、とてもユニークな出来栄えとなっています。

「野中ユリ画文集」2002年 神奈川県立近代美術館刊行

2002年に神奈川県立近代美術館での個展の際に刊行された美しい本。

手の届かない場所で煌めくような、野中ユリの作品世界へ。

ビニールカバーで保護され、図録らしい堅実な造り。紙質も良いものです。

発色の落ち着いた印刷、また文章作品との調和がページ上で取られており、画文集として素晴らしい完成度です。


作家に縁のある人物へのモチーフとした作品もあり、作家の暖かい感情が満ちる麗しさ。

非常に端正な一冊となっております。

唐十郎「雨月の使者」 合田佐和子挿画 1996年 エー・ジー出版初版 帯月報付き美本

唐十郎の書くポエジーと、合田佐和子の創るイメージの溶け合い、そこから立ち昇る圧倒的な美。

エー・ジー出版よりの意欲作、極美本を入荷しております。

画集と言っても差し支えないボリュームの合田佐和子作品の占める頁数。

唐十郎の言葉の熱を帯びた氾濫。

丁寧な印刷と文字組、書籍としてしっかりとした造りをも有しています。

現在も静かに、精力的に活動を続ける二者の、その真摯な美学の共演が素晴らしい良書となっています。

ベルメール「素描画集」 1966年 銅版画一葉付き特装本

特異な球体関節人形で名を馳せ、多くの絵画・立体作品を制作したベルメール。

彼の遺したスケッチや試作画を網羅しその美学を追う貴重な一冊、1966年刊行の特装本。

GalleryLucifer presents「ハンス・ベルメール作品展-交感する身体-」出展作品です。

艶かしい赤味のクロス函、表紙に未綴じタイプの頁を採用し、膨大な量の作品を納めています。

制作年代を追っての解説を付し、膨大な量の図版を補強。

印刷の質も素晴らしく、微弱な線のニュアンスもとても良く再現されています。

驚くべき技術で幻想に生々しい痛みを宿らせたベルメール。

その作品世界を網羅した、素描画集として素晴らしい完成度を誇る一冊になっています。

古沢岩美「画集 千夜一夜物語」 ノーベル書房 昭和50年 初版函極美

日本における初期シュルレアリスム運動に活躍し、独自の絵画を完成させた古沢岩美。

アラビアンナイトを画題とした大判の美麗画集が店頭に届いております。

函、本体ともにとても綺麗な状態です。

カラー図版も圧倒的な量を収録し、白黒ページの印刷も細部の描き込みまで美しく出ています。

巻末には往年の画家・古沢岩美のアトリエでの姿やインタビューも掲載。

その作品、その姿に、ファンのみならず引き込まれる、充実した内容の画集になっています。

ロップス「版画集 Les diaboliques」 版画10葉綴り革背マーブル装

19世紀末の退廃と耽美を描き出し、多くの文人と交流を持ったロップス。

ドールヴィイ著作「悪魔のような女たち」に関連して作られたと思われる版画集、こちらは年始よりのロップス展出展品となります。

100年以上前の物ながら、背の革、マーブルの外装は状態よく、また銅版画シートはいずれもヤケシミなど一切なく。

素晴らしい保存状態を示しています。

スフィンクスの背に座る悪魔と横たわる女の艶かしさ。

インクも深い黒さを保っています。

一月五日の年始よりのGalleryLucifer presents 「フェリシアン・ロップス展」にては他にも多くの貴重な書籍を版画作品と共に展示・販売を致します。

悪魔的なる事象を美に昇華したロップスの作品たちを是非ご高覧下さい。

山本芳樹「わが密室を彩る画家たち」 中外書房 初版

大正の世に生まれいち早く海外の耽美幻想芸術に親しんだ著者による圧巻のエロス蒐集。

中外書房刊行、1979年。

モロー、バイロス、ベルメール。お馴染みの作家から、ラビッスやトレモアなどマニアックな作品を圧倒的な量の図版と共に紹介。

不恰好なまでに頁にみっしりと詰め込まれた作品の数々から立ち上るコレクター的熱量。

こんな密室を持つことが出来れば、もう二度とそこから出たくはなくなるだろう、と思わずにはいられない。

扱う作家はどれも深い闇を纏えども、幸福感に満ちた一冊です。

金子國義画集「エロスの劇場」 小学館 三刷函帯

没後、ますますその評価が高まる画家・金子國義。

耽美を体現した彼の画業を多くの角度から紹介するファン必携の画集「エロスの劇場」を入荷しております。

版画、油彩作品など魅力的な作品を大判の頁でじっくり眺める愉悦。

また、製作過程や多くの文化人との交流の逸話をも写真と共に掲載。

金子國義画伯の美学を多くの側面から伺える豪華な内容。

特異でありながらクラシックな強度を持つ作品の美しさに耽溺できる良書。

是非店頭にてお手にとりお確かめ下さい。

邦枝完二「絵入り草子 おせん」 小村雪岱装丁挿画 新小説社初版函美本 

幼少期より育まれた日本的な世俗情緒より出でて、恐るべき美の世界を作り上げた代表作・おせん。

小村雪岱の装丁挿画による、1934年刊行の一冊。保存状態もとても良好です。

函にやや経年のイタミがありますが、雪岱の挿画、本文ともに美しいまま保存されています。

函や挿画にて印象深い青の発色、80年を越えてなお艶やかなその色彩には、何かの秘密が宿っている様です。

当時の国内文学の隆盛を支えた多くの新聞連載作品の中でも異彩を放ち、現代にも愛好家の多い邦枝完二の作品群。

その麗しい官能の極致として、非常に優れた一冊となっています。

中原佑介「大発明物語」 美術出版社 初版函

日本の美術評論における巨星として、国内外にて多くの美術展覧会にも活躍した中原佑介。

こちらの書籍にては、自動人形や永久機関など、正統な科学史から抹殺された「大発明」を詳細にレポートしています。

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