矢川澄子「アリス閑吟抄」

伝説的同人誌「未定」同人にして、澁澤龍彦の最初の恋人。不滅の少女。

矢川澄子による詩集「アリス閑吟抄」。玉のように転がる無垢な言霊。

クリームに添えられたミントの様な簡潔な配色に、1980年当時の心を思います。

言葉遊びの中にきりっと結ばれる潔癖な善性と、一方で舌をだして笑っている悪戯っ子の愉しさ。

多面体結晶を思わせるキラキラとした美しさに、純粋に行われる言葉への祈りを感じます。

澄みわたり過ぎた精神とその美貌で、決して安穏な人生ではなかった偉大なる少女。

しかしその言葉に触れる時、私たちもまた得難い幸運の中に彼女の姿を見るのではないでしょうか。

澁澤龍彦訳「解剖学者ドン・ベサリウス」 初版

伝説的な医学者を題材に描かれた幻想怪奇譚、「解剖学者ドン・ベサリウス」。

澁澤龍彦、生田耕作両名も参加した伝説的な同人誌「未定」にも収録された物語を単行本にてお楽しみ頂けます。

img_20161221_155347-1600x898

函にヤケあり、本文は良好につき物語を楽しむには十分な状態を保っています。

img_20161221_155353-1600x898

全体的なデザイン、装飾や本文組からも感じる真摯な書物作り。

img_20161221_155440-1600x898img_20161221_155648-1600x898

1989年、没後の刊行。簡潔な奥付。

img_20161221_155451-1600x898

訳者としても多くの名著を残した澁澤龍彦。

ぞくりぞくりと背筋を這うような恐怖の愉悦を、是非お楽しみ下さいませ。

澁澤龍彦「悪魔の中世」 初版帯美本

澁澤龍彦の貴重な大型本。

多くの図版も楽しめる「悪魔の中世」、帯背にヤケはあれどそれ以外は極美状態の美しい書籍です。

img_20161221_155651-1600x898img_20161221_155737-1600x898

しっかりと厚みのある用紙にカラフルに刷られた図版たちは、著者の変幻自在の筆さばきを支える重要な要素。

img_20161221_155807-1600x898

本文頁にもモノクロの図版を挿し込み、密にして細な思考世界へ容易く没入してしまいます。

img_20161221_160030-1600x898img_20161221_155914-1600x898

こういった図鑑的に手間のかかる書籍の出版が文学界にもまだまだ多かった当時の豊かさに目を細めつつ。

やはり読んでいて楽しい澁澤節に、読み手も無邪気になれる良書です。

澁澤龍彦訳 マンディアルグ「城の中のイギリス人」 白水社・初版帯つき極美

マンディアルグ作品と言えば生田耕作訳、と連想してしまいます。

しかし勿論、生田耕作氏によって広く浸透したその美しさには多くの文人が挑戦してゆきます。

img_20161126_181422-1600x898澁澤龍彦訳による「城の中のイギリス人」、白水社刊行。入荷しております。

img_20161126_181451-1600x898

コンテンポラリーな造本ながら随所に感じるセンスが心地よいです。

img_20161126_181520-1600x898img_20161126_181541-1600x898

底本を撮影、若しくはスキャンしての印刷なのでしょうか。

注意書から感じる澁澤版としてのオリジナルの再現性への拘り。

img_20161126_181631-1600x898

多くのフランス幻想文学愛好家を生み出した生田版「城の中のイギリス人」。

澁澤龍彦による訳は彼の混沌の美をどのように彫刻したのか、ファンならずとも未読の方は必見の一冊です。

澁澤龍彦「貝殻と頭蓋骨」 桃源社・初版極美

澁澤単行本の中でも限定本を除けば発行数の少ない桃源社「貝殻と頭蓋骨」。

稀少な書籍ながらも状態は極めて良好にてのお取り扱いございます。

img_20161126_182056-1600x898

真っ赤な装丁、そして滋味溢れるこのフォント!に思わず唸ります。

img_20161126_182705-1600x898img_20161126_182756-1600x898

近年ようやく一般的な場でも語られるジェンダーの話なども横断する澁澤先生の先見の明。

知の深海を自在に泳ぎまわる様なイメージの筆致。

img_20161126_182815-1600x898

70年代の半ばの著書ながら、未だその新鮮さを失わない思考・視点の不朽なる独創。

来年は東京にて複数の話者による連続講座も組まれるなど、没後ますますその作品は冴え渡るようです。

澁澤龍彦「旅のモザイク」初版帯カバー

自ら出不精を名乗っていた書斎の超人・澁澤龍彦。

重い腰をあげた氏の、軽やかな旅行記。写真も豊富に、いつにもまして筆先は楽しげです。

img_20161025_180339-1600x898

暗い色味の装丁も多い著作の中では、どこかカバンに入った姿が似合いそうなデザイン。

img_20161025_180344-1600x898

海外、国内と、旅行記としては少ない訪問先ながら、一ヶ所一ヶ所で見つけ出す物事の多さに脱帽します。

img_20161025_180510-1600x898img_20161025_180420-1600x898

膨大な蔵書の中で培った目は、書斎を越えて世界の全てから麗しい色々を見出だすに至ったのでしょう。

それは何よりも幸せな才能であったに違いありません。今もその目線は著作を通して、あちらこちらと見聞録の途上です。

マンディアルグ 著/澁澤龍彦 訳「ボマルツォの怪物」 初版美本

幻惑的な筆さばきで現在もファンを増やし続けるマンディアルグ、に澁澤龍彦訳の蛇の道の王道的作品。

函帯付き、非の打ち所のない保存状態。大和書店初版本。

IMG_20160830_150337-1600x898

背函、帯に勿論本文まで一切の焼けもなく。

マンディアルグ・澁澤が月下の岩より切り出す鮮やかな物語の造形を、邪魔の入らない余白の上でお楽しみ下さい。

IMG_20160830_150416-1600x898IMG_20160830_150602-1600x898

何となく日本人的な感覚でお化け屋敷的な印象も持ってしまうイタリア・ボマルツォ村の怪物公園。

そこに漂う哀しみや愛の幽かな語らいを、夏の終わりにこそどうぞお聞き逃しなく。

澁澤龍彦「エピクロスの肋骨」 福武書店・初版完本 

今は亡き文豪・澁澤龍彦の、今は無き出版社・福武書店より出した遺作「エピクロスの肋骨」。

初版帯、読書カード付き、痛みもなく極々上等な状態です。

IMG_20160710_144952-1600x898

IMG_20160710_145213-1600x898

挿し絵の白黒の切れ間も鮮やか、それと対比を描く幻覚的に軽やかなイメージの飛翔。

IMG_20160710_145322-1600x898

IMG_20160710_145412-1600x898

この読書カードは、今出せば誰に届くのでしょう。

読むにつれてどこか遠くて行きたくなるような一冊、この夏のお供にもオススメです。

澁澤龍彦より生田耕作へ 私信・全10枚組み

澁澤龍彦から生田耕作へあてた手紙、全10枚組の物。

文豪から文豪へ、ファンにはたまらない品です。

IMG_20160530_183505-1600x898

IMG_20160530_183838-1200x2137

澁澤氏の丁寧で、しかし静かな熱意を感じる筆致が、二人の間に在るある種の強い絆を感じさせます。

当時、彼らが何を感じ、必要としていたか。作品だけでは読み取れない色々な心がつまった非常にメモリアルな手紙です。

澁澤龍彦 「思考の紋章学」

澁澤龍彦・著「思考の紋章学」、初版函入り帯付き・極美品です。

IMG_20160530_184517-1600x898

IMG_20160530_184520-1600x898

白いモノリスのような本体と、民芸調の函イラストが一味違う印象。

本文ページも真っ白な状態に保たれています。

IMG_20160530_184607-1200x2137

本作では日本の作家についての言及も多く見られ、そういった意味でも内容から受ける印象は澁澤作品の中でも独自のものがあります。

もちろん、その思考の自由さはいつもの澁澤節。明るくおちついた空間でじっくり向き合いたい一冊ですね。