三島由紀夫「喜びの琴」 1964年 新潮社初版 筒函入り

三島由紀夫の戯曲の中でも問題作として名高い一冊「喜びの琴」。

1964年刊行ながら比較的状態の良い物を入荷しております。

筒状の函に納められ、シンプルながら力強い装丁が目を惹きます。

激しい会話劇と、濃密な耽美が漂う三島らしさのある語り口に深酔いする感覚。

時代や社会の変化を経ても尚読み継がれる強度ある作品。

三島文学の魅力に満ちた一冊です。

「ラングストン・ヒューズ詩集」 木島始訳 1966年 思潮社初版

アメリカ文学に於いて黒人としてのアイデンティティを極めて詩的に表現したヒューズ、そのブルーズを集めた稀有な一冊。

木島始による深みある翻訳も見事で、子供や女性の視点からの喜びや悲哀の詩からも透き通る切実さを感じます。

現在では不適切と言われるような言葉なども含みながら、極めて優しい眼差しに溢れています。

戦争や貧困など抑圧された生活の只中にあって、決して失われない尊い感情の数々。その美。

文学の持つ救いとしての側面が強く在りながら、白昼夢のような幻想をも感じる一冊。

アメリカ文化を愛好される方のみならずお勧めしたい作品です。

澁澤龍彦「胡桃の中の世界」1974年 青土社初版 帯付き美本

澁澤龍彦の人気タイトルの一つ「胡桃の中の世界」は多くの事例・図版を引いて閉じられたその中の幻想が豊かに語られます。

青土社より1974年刊行、40年以上を経て内容、装丁ともに色褪せない一冊。

目次から心踊る、澁澤本ならではの愉快。

引用される多くの図版のセレクトも秀逸で、日がな眺めてしまったファンの方も多いのではないでしょうか。

現在も多くの支持と愛好を集める澁澤龍彦の、本領とも言える魅力の詰まった良書。

扉をしっかりと閉めた自室での読書の際に是非ご選書下さいませ。

辻邦生「天使の鼓笛隊」 1992年 筑摩書房初版 帯付き

一貫した美学と端正な言葉でその作品世界への没入を導く辻邦生。

連作短編集「天使の鼓笛隊」、保存状態も良好にて。


現在に於いては否応なく興味を惹かれる帯文。

意味深げながら、軽妙さを忘れない言葉の業は各タイトルでも健在。

連作と言えど印象深く、読み進める愉しさに満ちた作品群。

辻邦生未読の方にもお勧めを致します。

山尾悠子「ラピスラズリ」 2003年 国書刊行会初版 著者署名入り 函帯付き極美

現代日本を代表する幻想文学作家・山尾悠子による長編小説「ラピスラズリ」、著者署名本を入荷しております。

国書刊行会の堅牢且つ雰囲気の良い装丁、函帯付きにて状態は良好です。

作品タイトルにも合う青色の署名。

読者の感性の奥深くまで響くような、知的で詩情溢れる美文。

近年更なる活躍も期待される作家の、一級の幻想美。

是非多くの方との出会いがありますよう。