唐十郎「雨月の使者」 合田佐和子挿画 1996年 エー・ジー出版初版 帯月報付き美本

唐十郎の書くポエジーと、合田佐和子の創るイメージの溶け合い、そこから立ち昇る圧倒的な美。

エー・ジー出版よりの意欲作、極美本を入荷しております。

画集と言っても差し支えないボリュームの合田佐和子作品の占める頁数。

唐十郎の言葉の熱を帯びた氾濫。

丁寧な印刷と文字組、書籍としてしっかりとした造りをも有しています。

現在も静かに、精力的に活動を続ける二者の、その真摯な美学の共演が素晴らしい良書となっています。

ダンセイニ「牧神の祝福」 杉山洋子訳 1981年 月刊ペン社初版 月報ミニリーフ付き美本

ファンタジー、ゴシックなどの分野で印象的な翻訳作品を書く杉山洋子によるダンセイニ「牧神の祝福」。

月刊ペン社刊行の妖精文庫より、1981年初版刊行。

表紙のコラージュ作品が微かな不気味さを隠した妖精界の花期を予感させます。

短い作品が多く気軽に読める一冊ながら、没入させる確かな魅力に溢れています。

荒俣宏による妖精に関するミニリーフレットも付属し、図版も豊富な充実した内容。

タルホファンに於ける一千一秒物語のように、ダンセイニ作品への入り口(そしてゴール)として楽しむのも良いかも知れません。

中田耕治「メディチ家の人々」 1979年 集英社初版

評伝の名手・中田耕治によるメディチ家を巡る壮大にて美細な一冊。

その名家の眩暈のするような足取りに引き込まれます。

詳細な目次を追うだけで掻き立てられる好奇心、かすかな後ろめたさ。

巻頭に付属の家系図も見所です。

「わが家にカインはいらぬ」。

金色に彩られた仄暗い名言の数々。

中田耕治のキレのある美文と、往時の社交界での様々の親和性。

是非のご一読をお勧め致します。

ワイルド「サロメ」 福田恆存訳 1958年 新潮社 帯付き 2000部限定本

オスカー・ワイルドによって書かれた耽美文学の一つの極点、戯曲サロメ。

多くの翻訳家の作の中にあって、劇作家としても活躍した福田恆存の翻訳には独自の味わいが光ります。

経年のヤケありながら帯も付属。

本文は比較的良好に残り、多くの図版もビアズレー挿画のサロメに忠実に収録しています。

新潮社より限定2000部の発行。

耽美性の中に勢いのある悪辣を孕んだワイルド作品にしっくりくる名訳が光る良著となります。

ギャラリースペースにて2018年9月に開催のサロメ展では、こちらの元となったビアズレー挿画オリジナル初版の品も展示予定です。

澁澤龍彦「犬狼都市」 1962年 桃源社初版 函ヤヤイタミ 正誤表付き完本

澁澤龍彦の人気作の一つ「犬狼都市」。

桃源社より刊行の元版は品の良い造りが随所に見られるとても美しい一冊です。

函には斑状のイタミあり、本体はビニールに守られ本文、表紙ともに極美しく保たれています。

正誤表付きの完本になります。

グレーの表紙に金の枠。グリーンで刷られた文字。

小さくカットされた箔押しのタイトルプレートはサバト館の本にも多く見られるスタイルです。

翻訳家のみならず、小説家としてもユニークな才を発揮した澁澤龍彦。

初期の冠小説として今なお多くの読者を魅了する素晴らしい作品です。