アルトー「アンドレ・ブルトンへの手紙」 生田耕作訳 1978年 サバト館第2版 訳者署名入り完本

シュルレアリスム運動の重要な一人ながらブルトンと袂を別ったアルトー。

生田耕作訳、サバト館による意味深い一冊。訳者署名入りになります。

状態は良好。愛読者カード、新刊案内を付属。

小振りな本ながら、迫力と機知に富んだ辛辣な言葉に引き込まれます。

読む人に様々な事を思わせる力ある一冊です。

正岡容「随筆 百花園」 1946年 労働文化社初版 著者署名入り

落語界を中心に活躍し多くの後進へ影響を与えたユーモアの達人・正岡容。

歌を吉井勇に師事し、稲垣足穂とも親交のあった著者による署名入り随筆集です。

達筆な筆文字に可愛らしい印影。

戦後すぐの発行にて質素な紙質ながら、印象深い小話が次々と立ち現れてゆきます。

大正から昭和初期にかけての庶民生活の、鮮やかな追体験。

作家としての確かな筆力と、芸能の場で培われた流麗な話芸に酔える良著です。

塚本邦雄監修「青琴集 エコール・ド・ロイヤル作品集成」 1992年 書肆季節社初版 函付き美本

清らかな印象の装丁が心地良い短歌集。

短歌講座「エコール・ド・ロイヤル」と塚本邦雄が残した熱く清廉な一冊です。

美しく、かつ整った装飾に惹かれて多くの歌人の作品が舞う舞台へ。

製本もしっかりとした造りです。

それぞれの歌の素晴らしさは勿論、塚本による丁寧で愛を感じる解説も秀逸。

塚本ファンならずとも、歌を鑑賞する喜びを感じるような優れた一冊となっております。

ライネス「ボマルツォ公の回想」 土岐恒二 1984年 集英社初版 函付き

澁澤龍彦などによって日本の幻想文学ファンにも広く知られるようになったボマルツォ。

集英社ラテン・アメリカの文学シリーズより6番、ムヒカ・ライネスの長編小説を入荷しております。

シリーズ物の一冊ながら、堅牢な造本が600頁超本文二段組のボリュームを支えます。

図版も多く収録し、主人公とボマルツォ庭園への深い共感を煽ります。

相当な文章量に、豊富な資料。土岐恒二による滑らかな翻訳。

ボマルツォに興味を抱く方にとって非常に魅力的な一冊です。

種村季弘「畸形の神 あるいは魔術的跛者」 2004年 青土社初版 帯付き美本

今なお色褪せない著作の数々を残した種村季弘。

晩年に刊行され、図版も多く収録した読み応えのある一冊。

真っ白な装丁がどこか凄みのある一冊。目次のインパクトが目を惹きます。

豊富な図版も美しく、幻想のそこかしこに潜む畸形のイメージを紐解いてゆきます。

晩年まで多くの著述、研究に勤しんだ種村季弘の遺した良書。

目眩くような読書の愉悦にお勧め致します。