堀口大學「訳詩集 月下の一群」 第一書房 昭和3年革装丁本

堀口大學の代表的な訳詩集。第一書房の端正な造本により、詩神の秘密を一緒に閉じこめた様な美しさ。

「月下の一群」、革装丁の物を入荷しております。

古色豊かな装丁を際立てる天金の輝き、背に割れはございますが丁寧に扱われてきた印象を受けます。

簡潔なインフォメーション、朱色の文字の色気。

装飾つきの本文。

そして内容は超一流の、芳醇な詩の溢れるミューズの泉。

日本語の書籍で革装丁の物自体稀少ながら、こちらはさらに「月下の一群」。

書斎の一等安全な区画にて、共に時間を重ねたくなる一冊です。

三島由紀夫・池田弘太郎 訳「聖セバスチァンの殉教」 初版極美完本

先日の未発見テープ発掘の報も大々的に、近年再び大きな注目を集める三島由紀夫。

その精神の発露のピュアな一端としての「聖セバスチァンの殉教」、血のように真っ赤な装丁と共に。

状態、非常に良好。

端正に組まれた行はどこか葬列を思わせ、余白の荒野を粛々と進みます。

図版にも多くのページが割かれ、イメージを補強してゆきます。

厳格さ、高貴さ。

赤という色彩の強度を最大限活かした装丁を含め、代表作に相応しい一冊になっております。

種村季弘「奇想の展覧会 戯志画人伝」 河出書房 初版極美本

魔術師・種村の膨大なアーカイブより、奇想と怪奇に彩られた「美術」をご覧あれ。

マイナー画家から有名人まで横一列に、種村展覧会は一等賑々しく。

鯉の飛び出す着物美人に輪切りの豚の蠱惑的な微笑。

図版ページは目に愉しく。

また、豊富な知識より密に語られる美術家とその作品世界。

そしてこのギャップを効果的に演出するページ数のバランスに、出版社様の意地を感じます。

読書好きにも美術愛好家にも新しい知見を与える豊富な語り口。

コレクターを志す方にもおすすめです。

シャルル・ノディエ「炉辺夜話集」 牧神社 初版帯

その早熟な知性から少年期より政治運動に参加しながらも、先々の村で語り聞かせられたお伽噺に心奪われたノディエ。

幻想小説の先駆者の作品集「炉辺夜話集」、挿絵も美しく牧神社初版入荷しております。

函、帯などにスレあり。本文はヤケもなく純白の余白です。

思わずココアをいれてお布団に潜りこみたくなる、ファンタジーでどこか恐ろしくもある挿絵の雰囲気がよく合っています。

寒い夜に、少し部屋を明るくして、まさしく炉辺に似合う一冊です。

こっそり棚に挿すとっておきの愛読書として、また贈答用にもおすすめ致します。

渡辺啓助「鴉白書」 東京創元社 限定13/200部

ゴーストライターとしてデビューし、戦時は大陸視察にも同行した推理作家・渡辺啓介。

晩年の鴉の黒に染められた東京創元社「鴉白書」、限定200部中の13番本です。

画像中央、本人による鴉の墨絵が付属。

絵に親しんだという晩年の傾向を強く感じさせる装丁です。

目次も内容も、一目見ただけでワクワクしてくる様な…。

書籍の各ディテールの担当もしっかりと表記、ファンのみならず美装丁本好きの好奇心も満たします。

近年、中々大手は発行しなくなった限定豪華本。

本書はさらに探偵物作家の豪華本という独自の魅力に溢れており、来歴からくる不思議さもより際立つ一冊です。