「山崎俊夫作品集」全5冊揃い サバト館初版函帯極美

あまりに濃密な耽美ゆえに、文学史より葬られた鬼才・山崎俊夫。

生田耕作編集による全5冊揃い全集には、その致死性の抒情があます所なく収録されています。

端正な装丁、上質な紙を採用しながら、函背に切り取られた語句には何者の立ち入りも拒否する様な、無垢で痛切な叫びに満ちています。


三田文学が生んだ、純潔なる退廃。その美文の全て。

「美童」「神経花瓶」「玉虫秘伝」「古き手帖より」「夜の髪」、生田耕作とサバト館により残された作品集に今も棲まうそのデカダン。

希少な書籍ながら現在、店頭にてご覧を頂けます。是非その世界へ耽溺下さいませ。

泉鏡花「斧琴菊」 小村雪岱装丁・初版函極美

以前も入荷のあった泉鏡花「斧琴菊」、こちらは草の色も鮮やかな函付きの美本を店頭に置いてございます。

昭和九年初版の書籍ながら、本文頁の紙の白さも眩しく。

どこから見ても鮮やかな保存状態にて、出版当時と同じ手触りの鏡花作品をお楽しみ頂けます。

文字組みの妙は初版本ならでは。

こういった極々程度の良い物から、読むのには支障がない程度のイタミの物まで、出版当時の御本での読書が多くの作品にて楽しめる現代。

是非沢山の方に古書を手に取る喜びを感じて頂ければと、「斧琴菊」「照葉狂言」を前に願います。

生田耕作訳「イレーヌ」 訳者署名入り・極美完本

ど真ん中な1冊を、完全な状態にて。

生田耕作訳、ルイ・アラゴン「イレーヌ」サバト館、初版極美月報新刊スリップ付き訳者署名入り完本、ビニールでパックされ書棚にて保管中。

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無駄のない骨太な装丁、店内照明にピカピカと光り。

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表紙から本文、帯にいたるまでヤケ・ヨレの一つもなし。

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本は読まれる為の物とは分かりつつも、美しい書籍には触れるのが怖い読書家にはつきもののジレンマ。

しかし大切な一書にては、ページを開く時の姿勢も自然と丁寧に熱を帯びるのかも知れません。

松本完治訳「マルティニーク島 蛇使いの女」 献呈署名入り

エディション・イレーヌ渾身のブルトン/マッソン作品「マルティニーク島 蛇使いの女」。

当店先代・佐々木一彌宛て献呈署名入りの、美しい1冊です。

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松本先生のどこか洒落た字体、親しみのある筆跡。

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翻訳者としての矜持を感じる、詳細にして正確な訳註。

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著者・作品への深い理解により紡がれ、豊かに溢れだす美文。イメージの結実。

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今年のブルトン没後展での活躍も記憶に鮮やかなエディション・イレーヌと訳者・松本完治。

こちらの美しいシュルレアリスム作品も、是非多くの方に耽溺して欲しい1冊です。

生田耕作・高橋祥太郎共訳「マキャベリ」 みすず書房刊行初版献呈署名入り

生田耕作、高橋祥太郎共訳、マルセル・ブリヨン著「マキャヴェリ」。

当店先代・佐々木一彌宛て献呈署名入り本です。

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柔らかい筆跡です。

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ビニールカバーに包まれ、美しい状態に保たれています。

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専門書らしく、細かな字、二段組の密度。多くの思考を伝える、知識の象。

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美も芸も、そして商いも。生きる事は内実があってこそと。

今年1年を振り返りつつ、首を垂れたくなりました。

背筋の伸びる様な、そんな硬質な思考と言葉にみちみちた1冊です。

須川誠一校訂「装釘の常識」 草人堂/アスタルテ書房

生田耕作監修の下、当アスタルテ書房の発行にて当初9番までの刊行を予定していた愛書家双書。

諸々の事情により中途でその刊行を途絶える事になりましたが、こんな素晴らしい書籍を造る事が出来ました。

須川壮一校訂、草人堂編による「装釘の常識」。黒地に金。

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厚手のビニールカバー、頑強に。

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この赤字が綺麗に出る用紙も、サバト館の試行錯誤の賜物でしょう。

本の装釘に関して理念哲学の粋にまで踏み込む、書物への想いを感じます。

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ただ高価な書籍だけでなく、思い入れのある本には特に長生きして欲しい物です。

そういった全ての愛書家にとってバイブルとなる1冊でありますように。

生田耕作訳 A.P.マンディアルグ「ポムレー路地」 サバト館初版極美訳者署名刊行時新刊スリップ付

生田耕作の代表作にしてマンディアルグの代表作、そして恐らくサバト館が最も刷った本の1つ。

押しも押されぬ「ポムレー路地」、今もこの本からマンディアルグ、そして生田耕作作品と出逢う方も多いのではないでしょうか。

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一目見てそれと分かる、品格ある完成された表紙デザイン。

青みを帯びさせ刷られたモノトーンの写真に気概を感じます。

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豊富な写真と合わせて繰り出される猥雑で混沌とした、品のある哀愁。幻想に至る痛み。

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この本には鈴木書店扱いの新刊スリップもあり、書店の一般流通網を通すファン層の拡大も伺えます。

現代においても活発な熱量を持つファンや作家、研究家たちが、その美学を継承しています。

様々な意味で美しい1冊、どうかこの本もそんな人たちに渡りますように。

松本完治訳 ラトヴィン・イヴシック「あの日々のすべてを想い起こせ」 エディション・イレーヌ発行、ブルトン没後50周年記念刊行品 訳者署名入り完本

先日のシス書店様におけるブルトン没後50周年記念イベント。

フランス大使館の全面的なバックアップを受けての「シュルレアリスム集大成」に相応しいその大舞台にて刊行された、記念刊行物4種の内の1冊。

現在の京都が誇る巨人・松本完治の妙訳にて、ブルトンの最期を看取ったイヴシックの熱く静かな回顧録です。

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白い本が2つ、赤い本と緑の本が1つづつ。

こちらは白の片方にて、小ぶりの1冊。ながらも漂う、書籍としての存在感。

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写真も豊富に、晩年のブルトンの仔細な呼吸が、思考の足音が、モノトーンな紙から聞こえてくるようです。

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ブルトンのサインの横に、松本完治の署名。誰よりも生田先生に見せたかったのではないでしょうか。

今は生田耕作署名本の納まったガラスケースに並べております。

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しかし、回顧録であり没後展における刊行物であれど、この書籍はシュルレアリスムの未来を真っ直ぐに指向する輝度に満ちています。

これからの芸術、文芸を担い、味わう方にこそ是非読んで頂きたい1冊です。

泉鏡花「斧琴菊」初版美本

生田耕作による紹介や幻想文学ブームなどを経て、現在また愛読者を増やす泉鏡花。

雪岱の装丁も美しい「斧琴菊」、初版の物が入りました。

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極めて品の良い配色にモチーフ、経年の痛みも軽度に済んだ良い保存状態です。

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開く姿も美しく、書斎の灯りや木材の背景に収まります。

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日本の幻想文学の最初の一人とも目される泉鏡花が日本的なる美より取り出した夢の結晶は、時を経るほど美しさを増して、読者の前に何度でも姿を現す様です。

秋の涼しく長い夜にこそ開きたい、厚手の一冊です。

バタイユ「松花状眼球」 生田耕作訳・署名 サバト館初版極美完本

バタイユの傑作「松花状眼球」、生田耕作訳署名入り・サバト館。

当店らしいと言えばこの上なく、サバト館含めた色々な美装本への最初の一冊としても人気の作品です。

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落ち着いた深みのあるグリーン、大きくとられた余白、無駄な情報の一切がない表題、文字組。

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耽美的である事、という事と極めてシンプルである事。

バタイユの描く余分な肉を落としたような純粋な松花状眼球のエロスに、機械的なまでにカチリ、とはまります。

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訳者による構成案を巻末で辿れるのも本書の魅力。

芸術の在り方を探る読書の徒の杖に、きっとなりうる良書です。