金井美恵子「夢の時間」 1970年 新潮社初版 著者署名入り帯付き美本

「アカシア騎士団」、「プラトン的恋愛」など独自の作風でファンの支持を集める金井美恵子による70年刊行の作品。

著者署名入りにて、帯付きの物が店頭にございます。

日付付きペン署名。小説3編を収録。 詩情豊かな文章にて紡がれる物語は、作品世界に惹き込まれるような魔力を感じます。

幻想文学ファンにも是非お勧めしたい一冊にて、どうかごゆるりとご観賞下さい。

ルイス「アフロディット」 小松清訳 1952年 白水社初版 函付き

白水Uブックスなどで広く翻訳文学のファンを増やした白水社による、戦後復興期の名著。

ピエール・ルイスの代表作「アフロディット」を小松清の訳にて。

経年のイタミなどあれど、本文は比較的良い状態を保っており、白水社のしっかりとした本作りが伺えます。愛の女神の名を冠したピエール・ルイスのエロティシズム溢れる美文が、流麗な訳に乗って流れ出します。 近年、再びその魅力でファンを増やすピエール・ルイスの著作。

多くの訳、刊行物に恵まれた彼の作品。是非読み比べも含めお勧め致します。

磯田光一「邪悪なる精神」 1973年 冬樹社初版 函付き

三島由紀夫の評論などで有名な磯田光一による73年刊行の評論集。

短い評論を纏めた物ながら、多くの題材を貫く美学を感じる一冊。

しっかりとした函と装丁。本体は状態も良好です。
三島由紀夫からボードレール、塚本邦雄。赤軍派にリア王。豊富なテーマに語りが及びます。 著者の豊潤な語り口に、50代での逝去が惜しまれる良著となっております。

ユリイカ「特集:デカダンス 爛熟と頽廃の美学」 1978年 青土社

現在も意欲的な特集を多く取り上げている青土社のユリイカ。

70年代後半刊行のデカダンス特集号では豪華な執筆陣にて、デカダンスの何たるかを語り尽くします。

目次に並ぶ胸踊るような題の数々。 生田耕作による執筆やボードレールの墓所のレポートなども掲載し、時間を忘れて読み耽ってしまう密度です。

近年、耳にする機会も減りつつありながらそこかしこに潜むデカダンス、頽廃の美。

その核心に迫る良質な一冊となっております。

アラゴン「イレーヌ」 生田耕作訳 1987年 サバト館初版 訳者署名入り 帯付き極美

シュルレアリスム文学の傑作として名高いルイ・アラゴンの作品を生田耕作訳にて読む贅沢。

サバト館刊行、訳者署名入りの物になります。

アンドレ・マッソン挿絵、上等な紙とゆとりのある余白は普及版ながら流石の出来栄え。  情感に満ちた言葉運びは素晴らしいの一語。豪華版、特装本のイメージが強いサバト館ですが、普及版においても魅力的な刊行物が多くございます。

是非店頭にてその内容、造本ともに妥協のない美しさをご覧下さいませ。

 

 

高橋睦朗「詩人の血」 1977年 小沢書店初版 著者署名入り

長くキャリアの中で多くの作品を発表し、現在も精力的に活動する現代詩人・高橋睦朗の詩集。

1970年代刊行、署名入りの物が入荷しております。

独特な味のある署名、函入りながら軽く持ち易い造本。

伝統に則った短歌から奔放な切れ味の現代詩まで幅広い筆致を納めた高橋睦朗の作品。

強い印象を持った作品群。

詩の鑑賞に親しくない方にもおススメしたい、美しい表現に溢れた一冊です。

寺山修司「暴力としての言語」 1970年 思潮社初版 帯付き

詩、舞台、映画、美術、様々な形式を横断しながら日本の芸術史の一角に今も強く輝く寺山修司。

強烈なインパクトを残すタイトルと共に、彼の詩論、芸術論を記した一冊。

詩論まで時速100キロの副題通りに、暴れるような活力を宿した一頁一頁。

殴り書いたような卍の鮮烈。

寺山の海外渡航時のエピソードなども交え、ユニークな言葉の数々に没頭してしまいます。

抵抗者の持ち物としての言語や文化に関する力ある論考には、現在に於いて益々鮮やかに響く物があるように感じます。

寺山ファンのみならず愉しめる良書です。

稲垣足穂「緑の陰」 1987年 沖積社初版 函帯付き

稲垣足穂の生涯のテーマの一つ「A感覚」にまつわる作品を集めた沖積社の意欲的な単行本。

クロス装が佇まい良く映える一冊です。

余白を大きく取り、すっきりとした本文。

しかして内容は当然ながら濃醇なタルホの「A感覚」系作品。否応なくまわる強いアルコールに似たコスモロジー。

足穂の作品集を多く刊行した沖積社ならではの作品セレクトは流石と唸らせます。

桐生操「きれいなお城の呪われた話」 1992年 大和書房初版 帯付き

フランス留学中に知り合った二人の女性による共同ネームにて刊行された、ヨーロッパに纏わるお城と怪奇の幻想譚。

二人のヨーロッパ貴族文化に対する愛と探究心によって綴られる、妖しく不可思議な美麗怪談。

目次を飾る様々な言葉には、幼少期に布団を被って恐る恐る見知った夢見混じりの恐怖が思い出されます。

一つ一つのエピソードもとても秀逸で、味わい深い物となっています。

どこか懐かしい手触りを備えた怪談話は、西洋の古城という入れ物にもヒンヤリと馴染むようです。

サンダスン「この世界を見よ」 1987年 アスタルテ書房 限定300部函付き極美完本

イギリスにて私家版を主として制作する印刷所を設立し、気高い思想をもってヨーロッパの装丁文化に影響を与えたサンダスン。

生田耕作訳・署名入り、当店刊行の「この世界を見よ」。極めて程度の良い完本となります。

「工芸の理想」「美しい書物」の二編を収録。良質な紙、刷り、製本。

書物としての美しさ、を追求したサンダスンによる、高潔で奥ゆかしい書物論が綴られています。

所謂ブックデザインとはまた違う、書物がただ美しくある為の洗練を極めた装丁の美。

その真髄に迫る、まさに美しい書物となっております。