ロップス「版画集 Les diaboliques」 版画10葉綴り革背マーブル装

19世紀末の退廃と耽美を描き出し、多くの文人と交流を持ったロップス。

ドールヴィイ著作「悪魔のような女たち」に関連して作られたと思われる版画集、こちらは年始よりのロップス展出展品となります。

100年以上前の物ながら、背の革、マーブルの外装は状態よく、また銅版画シートはいずれもヤケシミなど一切なく。

素晴らしい保存状態を示しています。

スフィンクスの背に座る悪魔と横たわる女の艶かしさ。

インクも深い黒さを保っています。

一月五日の年始よりのGalleryLucifer presents 「フェリシアン・ロップス展」にては他にも多くの貴重な書籍を版画作品と共に展示・販売を致します。

悪魔的なる事象を美に昇華したロップスの作品たちを是非ご高覧下さい。

同人誌「復刻 薔薇魔術学説」 西澤書店刊行復刻版

北園克衛により刊行され稲垣足穂などが参加した、日本最初期のシュルレアリスム文芸誌「薔薇 魔術 学説」。

西澤書店による名著復刻版を入荷しております。

表紙デザインを含め、非常に野心的な作品の数々は、現代においても奇異かつ鮮烈。

その美しさに不意な眩暈すら起こしそうな驚きを感じます。

四冊の冊子に、復刻版ならではの解説が付属します。

五冊目以降が続いていたら、と思わずにはいられない、濃密な作品たち。

海外シュルレアリスムの流入直後に起こった国内の文人たちによる、最初のリアクションの麗しい記録。

その色褪せない美をじっくりとご堪能頂けます。

中井英夫「香りの時間」 大和書房 初版帯付き

黒鳥館主人・中井英夫の嗜好の奥深くが覗きみえる随筆集、「香りの時間」。

大和書房刊行、帯付きの美本が入荷してございます。

シンプルな装丁ですが、装画や落ち着いた色味に丁寧な印象を受けます。

時に明朗に、時に難解に語られる様々な題材。

そこに現れる鋭く圧倒するような視線。

素晴らしい作品としての随筆と、素晴らしい作品へ至る記録としての随筆。

中井英夫ファンならずとも、多くの読者の感性に響く良作です。

 

塚本邦雄「短篇集 連弾」 筑摩書房 初版函帯付き

多くの歌集を残した塚本邦雄は、またその美学の発露として幾つかの短篇小説集を刊行しています。

筑摩書房の堅牢な装丁にて、短篇集「連弾」が入荷しております。

目次の並びにも表れる塚本邦雄なる感性。

短歌において見られた眩惑的でむせかえるような言葉が、より克明に世界を撫でる感覚。

整然と並ぶ文字の流れに与えられる美しさ。

歌集のみならず、随筆集、そして短篇集にても奔放に流れ出す塚本邦雄の美文。

銘酒に溺れるような密な読書をお楽しみ下さい。

マンディアルグ著/ビアズレー挿画「ビアズレーの墓」 生田耕作訳 サバト館 天金装初版函付き美本 274/950限定

国内においてビアズレーの美を一躍知らしめた金字塔、サバト館刊行「ビアズレーの墓」。

秀逸な装丁に納まるマンディアルグ著/生田耕作訳の陶酔。

草色の函、金箔押しの表紙、天金仕上げ、本文の装飾に至るまで貫かれた美学。

退廃の甘美な輝き。

生田耕作の妙訳にて、マンディアルグとビアズレーの交歓が鮮やかに頁から立ち上ります。

装丁も翻訳も、選書も優れたサバト館の書籍。

愛読し、愛蔵されるその麗しさを是非お手にとってお確かめ下さい。

種村季弘「影法師の誘惑」 冥草舎 初版1500部発行函帯付き美本

童心に潜む影の世界、幼年期の妖しい美学。種村季弘の誘う子供の世界。

冥草舎より初版1500部発行の貴重な一冊。

シンプルな装丁ながら、革背装に堅牢な函、厚手の本文用紙に書物への敬愛を感じます。

図版、資料画像なども多く、より克明に子供たちの失われた幻想の世界を再発見してゆきます。

風景や玩具、ふとした何かとの邂逅に突然思い起こされる幼年期の神秘な感覚。

それらを頼りに読み進める本書の魅力は決して戻れない場所への想いを強く揺さぶるようです。

塚本邦雄「星餐圖」 人文書院 初版函帯月報栞付き極美本

唯一無二の塚本短歌、その不滅の輝き。

塚本邦雄第七歌集「星餐圖」に収められた星々の甘く鋭利な一閃。

頁ひとひらに歌ひとつ。その凛々しく鮮やかな言葉の数々。

付録の栞まで一切のヤケ、シミもなく、ビニールカバーで函も保護されています。

感幻樂、詩歌變など歌集タイトルにも独自の耽美を表す塚本文学。

「星餐圖」のタイトルに相応しい、キラキラとして艶やかな歌の目眩く一時をお楽しみ下さい。

ジャン・ド・ニノー「狼憑きと魔女」 工作舎 初版帯付き

独特な選書によりユニークな海外の書籍を多く翻訳した工作舎よりジャン・ド・ニノーによる作品が入荷しています。

「狼憑きと魔女」、魔術からフォークロアまでを鋭く考察する名著。

多くの資料、引用を用いて炙り出される魔なるものたちの輪郭。

本文装飾なども章ごとに変えられ、凝った造りになっています。稀少な図版も多く収録。

近年また盛り上がりを見せ、SNSなどでも拡がりを見せる魔術や呪いの文化。

多くの出典資料とともに、それらの世界へ潜る際への手引きにお薦めを致します。

澁澤龍彦「城=カステロフィリア」 金子國義挿画 白水社 初版月報読者カード付き美本

国内外問わずの「城」への偏愛。金子國義挿画の豪華なタッグにて。

書斎からの外出を始めた時期の澁澤龍彦のお城訪問記は、新鮮さと円熟した筆致が味わい深い一冊。

カバー、本文、読者カードに至るまでヤケなどもなく状態良好です。

挿画部分は薄紙にて保護され、カラー印刷。盟友の画業への心遣いも美しいです。

目次に並ぶ大量の城の名前を追うだけでも愉しくなってきます。

城という開かれた地域の象徴でありながら密室としての側面を持つ存在。

その魅力を生き生きと語る言葉にあっという間に引き込まれる良書です。

山本芳樹「わが密室を彩る画家たち」 中外書房 初版

大正の世に生まれいち早く海外の耽美幻想芸術に親しんだ著者による圧巻のエロス蒐集。

中外書房刊行、1979年。

モロー、バイロス、ベルメール。お馴染みの作家から、ラビッスやトレモアなどマニアックな作品を圧倒的な量の図版と共に紹介。

不恰好なまでに頁にみっしりと詰め込まれた作品の数々から立ち上るコレクター的熱量。

こんな密室を持つことが出来れば、もう二度とそこから出たくはなくなるだろう、と思わずにはいられない。

扱う作家はどれも深い闇を纏えども、幸福感に満ちた一冊です。