澁澤龍彦編集「エロティシズム」 1973年 青土社初版 函帯付き極美完本

1971年にも同じ青土社発行の「ユリイカ」誌上にてエロティシズムを特集した澁澤龍彦。

その二年後の刊行となる単行本版「エロティシズム」、充実の執筆群と多数の図版が魅力的です。

クリーム色とピンク、そして金の箔押しが妖しく気品を放つ装丁。 澁澤龍彦、種村季弘、巖谷國士などの素晴らしい執筆者たちに、多数の翻訳物をも配置した濃厚な内容。 現在も高い評価を受ける様々な作家・文筆家や、マイナーな海外作家の紹介も広く行う刺激に満ちた内容。

澁澤龍彦の編者としての力量に溢れた良書です。

三島由紀夫「青の時代」 1950年 新潮社初版 帯付き

初期三島作品において評価の高い長編小説、「青の時代」の帯付き初版本です。

挫折の闇に彩られ地に落ちる青年の美しさを当時の紙、刷りにて。

経年の劣化はあれど、表紙・本文ともに良好。 三島文学らしい湿度と色気のある文章をじっくりと楽しめます。

エリート学生の栄光と破滅を題材に描かれる痛切な軋みに満ちた一冊です。

蔵持不三也「シャリヴァリ-民衆文化の修辞学-」 1991年 同文館出版初版 帯付き

中世ヨーロッパで行われていた、一種の暴動とも乱痴気騒ぎともつかない大衆行動「シャリヴァリ」。

現在もあまり広く語られる事のないそれらを詳細に語り紹介する意欲的な良著です。

帯付き、状態は比較的良好。「シャリヴァリとは何か」から始まり、非常に濃密な内容を感じさせる目次。

豊富な資料とあわせ、シャリヴァリで歌われる猥雑な唄の歌詞や、具体的な行動なども紹介する充実した一冊。

中世ヨーロッパや大衆文化に興味のある方に特におすすめを致します。

クレジオ「歌の祭り」 菅啓二郎訳 2003年 岩波書店初版 函帯付き

現代フランス文学を代表する作家、ル・クレジオによるエッセイ集「歌の祭り」。

岩波書店より刊行、菅啓二郎訳の読み応えある一冊です。

南米文化からの影響も受ける筆者のイメージか、どこなプリミティブな生命力を感じるデザイン。 鮮やかな赤や緑を前面に出し、金の箔押し。2000年代の書籍ながら豪華な仕上がりです。

現在も活躍するル・クレジオの執筆への強い熱と感性を感じる一冊です。

未読の方も是非お手にお取り下さい。

生田耕作訳「工芸の理想/美しい書物」朱筆校正入り原稿見本

1987年アスタルテ書房刊行の生田耕作訳、コブデン=サンダスン「この世界を見よ」の朱筆訂正入り原稿見本。

第一部「工芸の理想」、第二部「美しい書物」における訳者の丁寧な仕事を伺える内容です。

細かな表現や字句の訂正が全ページにわたり書き込まれています。 完成した書籍と比較して、この後にも更に訂正が入っていたと思われます。

サンダスンの書物や装丁への確固たる美学を、素晴らしい翻訳で紹介した本書。

生田耕作の愛書家としての顔と、強い翻訳への情熱を感じる原稿です。

小林秀雄「藝術随想」 1967年 新潮社初版 函付き 限定1500部

日本におけるフランス文学、芸術評論の大家・小林秀雄。

洋の東西を横断しながら研ぎ澄まされるような、美しい知見の宝庫のような良書。

確りとした造本の佇まいも清廉な印象。 目次にも狭しと並ぶ、藝術の持つ美しさの様々。

時代を問わず、多くの文人・文化人の感性を刺激してきた小林秀雄。

藝術として在る全てへの、より強い感応に誘う一冊です。

ブルトン「通底器」 稲田三吉訳 1963年 現代思潮社初版 函付き

ブルトンの著作において重要な一冊・通底器。

現代思潮社より1963年刊行の物。赤と白にドローイングが映える印象的な装丁です。

多くの図版・写真資料を収録。 強い眼差しに射抜かれるような、ブルトンの肖像写真。鮮やかなイメージが閃光めいて明滅します。 シュルレアリスム運動の最重要人物の名著。

是非店頭にてお手に取られますよう。

バシュラール「蝋燭の焔」 渋沢孝輔訳 1966年 現代思潮社初版 函付き

自然科学を専門としながら、独自のアプローチで極めて詩的な領域に思考を漂わせたバシュラール。

日本のフランス文学研究に多くの貢献を残した訳者により、その難解な著作が美しく表された良書です。

現代思潮社によるモダンな装丁、謎めいたコラージュも良い雰囲気です。 目次に並ぶ奇妙な語の数々は、文学を主とする書き手とはまた違う味わいを感じます。 その他、詩とイメージをテーマにした著作に幾つかの翻訳も出ているバシュラール。

その硬質に花開く幻想性を是非ご一読下さい。

三島由紀夫「黒蜥蜴」 1969年 牧羊社二刷 函付き

三島由紀夫の代表的な戯曲作品にして、江戸川乱歩の世界観を見事に組み上げた力作。

「黒蜥蜴」、1969年刊行普及版を入荷しております。

扉や本文枠の装飾など抜かりない美意識を伺える造本。 舞台写真も多く収録し、戯曲形式の持つ強い力を際立たせています。 軽妙且つ重厚な物語と会話の妙が印象深い一冊。

三島ファンの方のみならずお愉しみ頂ける名著となっています。

永井荷風「濹東綺譚」 1950年 六興出版社初版 函付き

永井荷風の不朽の名作・濹東綺譚。こちらは六興出版より1950年刊行の物。

素朴な味わいの装丁が情緒を感じさせる一冊です。

半世紀以上前の書籍ながら、比較的良い状態を保っています。 濹東綺譚、以下目次の作品を収録。 いつの時代も変わらない、恋の持つ悲哀や苦悩の美しさを描き切る荷風の筆致は、今も多くの読者を惹きつけています。