生田耕作一周忌 特別編集誌 「忘れられた詩人に捧ぐオマージュ」

日本に於けるフランス文学の普及に務め、惜しまれながらも旅立った生田耕作。

氏の一周忌に捧げられた極々簡素で美しい書物。

IMG_20160813_150436-1600x898IMG_20160813_150720-1600x898

凛としたご夫人の挨拶状にも、キラキラと氏の手が添えられているよう。

IMG_20160813_150723-1600x898IMG_20160813_150839-1600x898

翻訳者として多くの埋もれそうな名作美文を見つけ出し、ランプの照らす机の上で読者と楽しんできた氏の喪失は限りなく大きく悲しく。

そしてまた次代の文芸への確かな萌芽をもたらした氏の偉業を、ゆっくりと確かめる事ができる一冊です。

J.リゴー「自殺総代理店」 亀井聡・松本完治 共訳

不吉な、それでいてどこか喜劇的なタイトルが目を引くダダイスト・リゴー幻の名著。

フランス映画好きな読書人にも是非お薦めの一冊です。

IMG_20160813_150109-1600x898

仏映画「鬼火」のモデルともなった文人は自らの心臓をピストルで撃ち抜いて…。

文学史の地下深く埋葬され名前すら忘れかけられながらも、この本が甦った事実。

IMG_20160813_150126-1600x898IMG_20160813_150217-1600x898

翻訳者の使命の1つ、気高い発掘。それを高度なレベルで実現している二人の作家とこの本に、どうか清い光が当たりますように。

石津ちひろ・著/宇野亜喜良・挿絵 「アナグラム人名図鑑」

近年注目の高い回文や集字法と言った言葉遊び業界、そしてポップなアナグラム遊びは是非こちらでご堪能を。

たっぷりのウノ・イラストもボリューミーで欲張りな一冊。

IMG_20160813_150258-1600x898

東西の著名人・文人の名前をアナグラムの指が一撫ですると…。

軽妙奇妙なイメージに宇野亜喜良のタッチも酒脱です。

IMG_20160813_150302-1600x898IMG_20160813_150325-1600x898

一見してそれと分からない技巧派から心の沼の底を探り当てるような作家まで、あらゆるカラーを引き出せるアナグラム。

この本に触発されて、お気に入りのノートにカナやアルファベットをばら蒔いてみる一日もきっと楽しいでしょう。

生田耕作・訳/山本六三・装画 「バタイユ 大天使のように」重版美本

生田耕作訳によるバタイユ作品。

重版物ですが状態良好、山本六三作品でも特に人気の高い大天使シリーズの装画が楽しめます。

IMG_20160813_150957-1600x898

表紙に押し加工、意識が転倒させられるような眩暈感あり。

IMG_20160813_151035-1600x898IMG_20160813_151202-1600x898

美文、美画、美装丁。文芸書に求められる全て。

IMG_20160813_151209-1600x898

幻想文学にこそ必要なシャープな切れ味、切り立った陰影。

それらを強く紙上に立ち上らせる名著です、重版につきリーズナブルにお求め頂けますのでどうかお早めに。

アンソロジー「悲歌」 銅林社・初版美本

詩誌ガニメデ等、日本の詩文化を支えてきた銅林社によるアンソロジー。

分厚くもエモーショナル、です。

IMG_20160813_151242-1600x898

本造りもシンプルに丁寧に、掲載作家様への出版サイドの想いを感じます。

IMG_20160813_151410-1200x2137IMG_20160813_151458-1200x2137

90年代には何となく、空々しくも切実な痛みが白っぽい景色と共に思い出される感覚もあり。

時代という魔物にいつも最初に切り込んでゆく戦士「詩人」達が当時何を感じたのか、是非ページを繰って頂けますよう。

トワイヤン&イヴシック・著/松本寛治・訳「塔の中の井戸~夢のかけら」 カラー12葉付豪華版

生田耕作の門下にて、その魔術的な翻訳術を学んだ松本寛司。

トワイヤンの妖艶かつお洒落なカット12葉にイヴシックの繊細な詩を添えて、エディションイレーヌより感嘆の吐息と共に。

IMG_20160731_155452-1600x898

造本はアトリエ空中線。やはり間奈美子氏の仕事は、余白に魂がやどります。

IMG_20160731_155621-1600x898IMG_20160731_155909-1600x898

2016年、この夏から秋にかけてブルトン没後50年のイベントを主催する松本氏とエディション・イレーヌ。

フランス大使館の後援をも得るシュルレアリスムへの情熱とフランス文学に対する愛が、この一冊からもひしひしと伝わります。

ウィリー・ポガニー挿画「リヒャルト・ワーグナー タンホイザー組曲」普及版

ワーグナーのかの有名なオペラ「タンホイザー」。

ポガニーの美麗な挿絵が人気の一冊、時間を忘れて見入ってしまいそうな一冊です。

IMG_20160731_153154-1600x898

多少の傷み・汚れあり。

本文、特に挿絵の発色は良好に残っています。

IMG_20160731_153237-1600x898IMG_20160801_101915-1200x674

カラー彩色画は取り外しも可能、鮮烈な印象をうけるペールトーン。

ページを繰るごとに目に飛び込んでくる言葉と図像のデザインに、何時の間にか我を忘れて酔いしれてしまいそう。

IMG_20160731_153329-1200x674IMG_20160731_153334-1200x674

一世紀半、それよりもずっと前から、書物に携わる人々は彼らのイメージを紙の上に現出させるために、あらゆる手段を作ってきたのでしょう。

今では滅びつつある贅沢で奔放な「書籍創り」の愉悦を、存分に楽しめる一冊です。