鈴木泉三郎 戯曲集「ラシャメンの父」大正八年初版/著者献呈署名・生田耕作旧蔵印
日本の戯曲界をリードした劇作家、鈴木泉三郎の代表作「ラシャメンの父」。
1920年刊行、著者から生田耕作へ宛てた献呈署名入りの物。
函に剥がれなどありますが、本体は愛書家・生田らしく美しいままに残っています。
ざっくりとした文字の癖が、ニヒルもダンディも越えた著者のおおらかさを感じさせます。
刊行当時は生まれていなかった事を考えると、その後お二人が出逢ってから署名をお願いしたのでしょうか。
日本に戯曲が息づく初期段階の名作は、きっと若き文学青年に多大な霊感を与えたのでしょう。背景含めて、麗しい物語が綴じられています。