市丸端唄名作集・金子國義装丁挿画 ソノシート4枚付き ビクター

一瞬目を疑う金子國義装丁挿画の文字。

画伯の風流を愛した一面が生んだコラボレーション、市丸端唄名作集。

ソノシートの響きに誘われて、小道に盃を捧ぐ夜。ビクター刊行。

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いかにも日本的な配色に日本的な美人画。

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むかし懐かしソノシート、歌詞も完備につき今日から口ずさめる名曲の数々。

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ソノシートの艶やかな発色や、文字の配置などにモダンな読みやすさを感じるのはやはり画伯の装丁の力も大きいのでしょうか。

本格的な日本画にも取り組んでいた画伯の貴重な軌跡が滲む、非常にレアな一冊ながら、収録内容にも抜かりなしの渋すぎる品になります。

夜想 特集「モダン」

我らが夜想、バックナンバーより特集「モダン」。

機械・歯車・飛行機・セルロイド…。現代の幻想美術において一角をしめる人工的なるものへの郷愁。

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この号の表紙・裏表紙は本当に額に入れたいくらい美しく、品の良いデカダンを溢れさせています。

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内容も勿論充実した夜想仕様。

今は語られる事の少ない芸術家、散発的に盛り上がったムーブメント、流れ星のようなイメージ…。

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モダン、という広すぎる空の中に、刹那的な輝きをその闇に引いて。

機械的な物への郷愁とは、翻って人の温もりへの欲求なのだと、誰かの言葉。

愛好家の方へ選りすぐったとっておきの古雑誌も色々と取り揃えております、どうかお気に入りの物に出会えますよう。

バタイユ「松花状眼球」 生田耕作訳・署名 サバト館初版極美完本

バタイユの傑作「松花状眼球」、生田耕作訳署名入り・サバト館。

当店らしいと言えばこの上なく、サバト館含めた色々な美装本への最初の一冊としても人気の作品です。

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落ち着いた深みのあるグリーン、大きくとられた余白、無駄な情報の一切がない表題、文字組。

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耽美的である事、という事と極めてシンプルである事。

バタイユの描く余分な肉を落としたような純粋な松花状眼球のエロスに、機械的なまでにカチリ、とはまります。

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訳者による構成案を巻末で辿れるのも本書の魅力。

芸術の在り方を探る読書の徒の杖に、きっとなりうる良書です。

バルベー・ドールヴィイ エピグラム集「高貴なる人々に贈る言葉」宮本孝正・訳編

シュルレアリストにも愛された「ダンディなる貴族」、ドールヴィイの高貴な言葉の数々。

レイピアのように鋭く、煌めきをたたえ。宮本孝正の名訳と現代を生きる人々へ。

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単行本ながらこういった本には、やはりシンプルで品のある装丁が求められます。絶妙。

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家の没落を経験し、俗世にまみれる内に身に付いたダンディズム。

本来の身の高貴さも飲み込んだ彼の言葉には、何よりもしなやかで美しい強度のような物が宿っています。

読書家への入り口にも適した適度な緊張感が読みごたえありな良い一冊です。

鈴木泉三郎 戯曲集「ラシャメンの父」大正八年初版/著者献呈署名・生田耕作旧蔵印

日本の戯曲界をリードした劇作家、鈴木泉三郎の代表作「ラシャメンの父」。

1920年刊行、著者から生田耕作へ宛てた献呈署名入りの物。

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函に剥がれなどありますが、本体は愛書家・生田らしく美しいままに残っています。

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ざっくりとした文字の癖が、ニヒルもダンディも越えた著者のおおらかさを感じさせます。

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刊行当時は生まれていなかった事を考えると、その後お二人が出逢ってから署名をお願いしたのでしょうか。

日本に戯曲が息づく初期段階の名作は、きっと若き文学青年に多大な霊感を与えたのでしょう。背景含めて、麗しい物語が綴じられています。