中井英夫「夕映少年」 初版
先日の黒鳥忌も過ぎ、尚愛好家の中にてその巨大な羽をひるがえす中井英夫。
繊細耽美にして滴るばかりに瑞々しく。夕映少年、初版函帯付きにて。
帯の若干のスレヨレ以外は良好です。飾り罫に封じられたタイトル書きのフォントに指が誘われます。
突然のインパクト。挿し絵自体は少ないながら、効果的な意識の誘導をもたらします。
雪華社、まさにこの時期向けな月報付き。
ヒリヒリとした痛みを希求するのは、大人の深まりにわたしたちの少年少女が退屈しているのかも知れません。
鞄にも入り易い「夕映少年」、是非一緒に街を歩いて欲しいと願います。