谷崎潤一郎「初音 きのふけふ」 初版

手馴染みの良い柔らかい紙、古い古い民家の風景を思わせる印刷の質感。

谷崎潤一郎「初音 きのふけふ」創元社版初版、入荷しております。

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古書らしい質感、穏やかめの谷崎作品の味わいの深さにぴたりと。

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経年の劣化などは多少見受けられる物の、良い状態を保っています。

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気負わない造本ですが、古書愛好へ誘う魅力十分な一冊。

贈答品としても喜ばれるのではないでしょうか、ゆるやかな新年の炬燵にて耽りたくなります。

澁澤龍彦訳 マンディアルグ「城の中のイギリス人」 白水社・初版帯つき極美

マンディアルグ作品と言えば生田耕作訳、と連想してしまいます。

しかし勿論、生田耕作氏によって広く浸透したその美しさには多くの文人が挑戦してゆきます。

img_20161126_181422-1600x898澁澤龍彦訳による「城の中のイギリス人」、白水社刊行。入荷しております。

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コンテンポラリーな造本ながら随所に感じるセンスが心地よいです。

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底本を撮影、若しくはスキャンしての印刷なのでしょうか。

注意書から感じる澁澤版としてのオリジナルの再現性への拘り。

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多くのフランス幻想文学愛好家を生み出した生田版「城の中のイギリス人」。

澁澤龍彦による訳は彼の混沌の美をどのように彫刻したのか、ファンならずとも未読の方は必見の一冊です。

萩原厚生譚 ピエエル・ルウイ「妖婦クリシス」 大正13年再版・発禁本

補修跡も痛々しく、そして誇らしく。

萩原厚生訳によるピエール・ルイス「アフロディーテ」(妖婦クリシス表記)、大正期より発禁本の入荷です。

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カヴァーの破れをタイトルシールで塞いだりと、この本の辿った過酷で、そして愛に満ちた歴史を窺わせます。

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発禁印、血のように紅く。

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海外文学輸入の急先鋒として目にする機会も多い春陽堂、その陰に積まれた多くの悲劇の一冊。

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当時の基準とは言え、発禁処分に付されたルイスの名著、田辺の秀訳。

100年ほどの時を傷付きながらも生き抜いたこの本には、愛されるべき確かな美文が今も収まっています。

田辺定之助訳 テオフィル・ゴーチェ「スピリット」 初版極美 

目に見えないものたちの美と神性を極めて鮮やかで表情豊かな描写の内に留める事に成功した傑物・ゴーチェ。

田辺定之助の名訳により1866年の幻想美が現代の風景の中にまたも宿ります。

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黒をベースにしたシンプルで重厚な造りは、過剰な誇示を嫌ったゴーチェ本人も気に入るのではないでしょうか。

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かっちりとした印章を受ける文字組も原作者の好みを反映した様、こうした厳格さにむしろ馴染んで行く幻想の奔放さはゴーチェの本領でありましょう。

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月報付きの極美本、夜にふる雪のように白いページ。

ベットサイドにそっと置いて愛でたくなる一冊です。

澁澤龍彦「貝殻と頭蓋骨」 桃源社・初版極美

澁澤単行本の中でも限定本を除けば発行数の少ない桃源社「貝殻と頭蓋骨」。

稀少な書籍ながらも状態は極めて良好にてのお取り扱いございます。

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真っ赤な装丁、そして滋味溢れるこのフォント!に思わず唸ります。

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近年ようやく一般的な場でも語られるジェンダーの話なども横断する澁澤先生の先見の明。

知の深海を自在に泳ぎまわる様なイメージの筆致。

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70年代の半ばの著書ながら、未だその新鮮さを失わない思考・視点の不朽なる独創。

来年は東京にて複数の話者による連続講座も組まれるなど、没後ますますその作品は冴え渡るようです。