堀口大學「随筆集 捨菜籠」 弥生書店初版函美本
「月下の一群」を始めとして傑出した翻訳文学を残した堀口大學による随筆集。
大文学者の若き日の素顔にも触れる事のできる興味深いシーンも多く収録してあります。
白と菫色を貴重とした品のある装丁。
当店にても多く扱う吉井勇など、当時の文壇の交流録なども実作を引きながら楽しく読み進められます。
中には執筆時期の不明な、恋文じみたお話も。
とっつきにくいと感じる方も多い翻訳文学にも、自然と情感を伴って親しみたくなる。
そんな魅力がページの隅々から感じられる1冊です。