矢野目源一「ヴォルガ浮かれ噺」 アソカ書房 初版
奇異にして偉大な文筆家として文芸史に名を残す矢野目源一による翻訳作品。
失われつつあるスラヴの昔話、伝承よりブラックでユーモラスな物を集めた、貴重なテキスト群。
目次を眺めるだけでも、猥雑ながらどこか教訓を含む小咄の数々に引き込まれる様です。
一瞬縦に読んで「?」となりそうな奥付けも雰囲気があります。
戦後間もなくの書籍で造本も紙の質も荒い物ですが、ロシアの民話を扱った内容は現代においても目新しい内容を孕んでいます。
世俗的な表現も光る物の多く、民話ファン以外にもお薦め致します。