塚本邦雄「芳香領へ」 ポーラ研究所 初版函帯

多くの歌集に、そのマニアックでイノセントな感性を実らせた塚本邦雄。

「香り」という耽美のエッセンスをひたすらに煮詰めた本書は、数多の文人の著作の中にあっても独自の存在感を振り撒いています。

エキゾチックな函、金色の箔押しをされたクロス表紙。

また本文下部にては頁毎に芳香植物の図版が付され、エッセイと図鑑という2つの要素が特異な混じり方をしています。

植物に関連した塚本短歌プリントの栞も付属。纏まりのあるサービス心。

数多くの歌集の合間に、ユニークな随筆も手掛けた塚本邦雄。

その揺るぐ事のない美感へと、作品集とは違った角度から迫る内容となっています。