島尾敏雄「島の果て」 成瀬書房初版函極美本、限定415/500部
夢遊病者の中で融け合う、現と幻。戦後文学に於いて孤高の中特異な文学を書きつづけた島尾敏雄。
成瀬書房刊行の限定本が店頭入荷しております。
二重の函に安置された眠り人の、痛む様な言葉と、心。
本文用紙も寝台のシーツの様に白く保たれています。
朱書きの四百拾五。
龍の影はどこか覚束ない飛び石や、島々の連なりを連想させる様です。
関東大震災、第二次大戦の激動を経て、没年に至るまで書く事を止めなかった島尾敏雄。
多忙なる生活の無意識下にて醸成されたその内的文学体験の発露が美しくも切ない一冊になっています。