宮武外骨「筆禍史」 大正11年四刷 発禁本
自らの出版物へも多くの発禁処分を受けた宮武外骨による、抹殺された書物史。
威圧的な黒い函と、誇るように鮮やかな表紙の金文字。
函はキズ、スレなどが目立ちますが、本文は比較的良好な状態です。
残虐な刑罰、反逆者の末路、また公には語られないまま葬られた言葉たち。
白い頁のそこかしこに散らばる、多くの闇に引き込まれる様です。
また江戸期ごろよりの地下風俗史に関するレポートもあり、カゲマ茶屋のカラー挿絵なども。
現代に比べ遥かに言論・表現の自由に制限のあった時代。
そこにあっても伝えるべき、語るべきを追求し続けた外骨による、反骨を体現する一冊です。