加藤郁乎「書評集 旗の台管見」 コーベ・ブックス 初版函付き美本
俳人にして怪男児、変幻自在の言語で多くのインパクトある美文を文学史に残した加藤郁乎。
伝説的出版社コーベ・ブックスより刊行の書評集「旗の台管見」では、彼の詩情の土壌となった多くの本と出会えます。
やや古風な文字組と、薄緑の上質なクロス装。
コーベ・ブックスの装丁センスにも脱帽です。
稲垣足穂や澁澤龍彦など親交のあった作家は勿論、硬派な作風の吉田一穂、滋味深い中村苑子なと、一寸意外を感じる様な書名も多く見られます。
現在に於いてもコアなファンを中心に支持を集める加藤郁乎の文学世界。
彼にとっての特別な書を集めた一冊は、堅苦しい書評集としてよりはむしろ、無邪気で妖しいブックガイドとしての魅力に満ちています。