アンリ・ミショー「試練・悪魔祓い」 小海永二訳 1972年 サンリオ出版初版
フランスが生んだ孤高の先鋭・ミショーによる限りなく不吉で優美な文学。
彼の全集の翻訳をてがけ、日本の詩壇へと多くの功績を残した小海永二による名訳作品が入荷しています。
経年のヤケ、スレなどはあれど、本文には支障なし。
ミショーの肖像を大胆にあしらった装丁もユニークです。
タイトルを追うだけで、神経に畏怖を擦り込まれるような生々しい幻想を感じます。
その晩年まで制作に打ち込みながらも、どの潮流にも乗らず独自の美を追求したミショー。
彼の追い求めた痛むような緊張の一端に触れる事が出来る良書となっています。