窪田般彌「孤独な色事師 ジャコモ・カザノヴァ」 1972年 薔薇十字社初版
稀代の好事家にして芸術家、カサノヴァ。
その放蕩の代名詞たる彼の研究に没頭した訳者による魅力溢れる一冊、薔薇十字社の意欲的な刊行。
マスタード色を基調とした装丁に漂う、どこか悲しげな享楽の薫り。
函にややイタミ、本体は良好な状態です。
虚飾とともに栄華を極めたサロンを渡り歩いた伝説的な社交家の生涯を丁寧に追う、優れた作品です。
カサノヴァという人物を通して古い社交界の文化、その栄華盛衰にも触れられる一冊。
極めてユニークな書籍となっています。