鹿島茂「愛書狂」 角川春樹事務所初版帯極美

「わたしには、この本たちを世に知らしめる義務がある─」。

世界中の編集者・書店員がお気に入りの作品を前に思いながらも、中々口に出せない台詞を恥ずかしげもなく惜しみなく。

鹿島茂より届いた奇書怪書ガイドの決定版「愛書狂」、角川春樹事務所の硬派な一面。初版帯付き極美はいっております。

img_20160921_155342-1600x898

分厚い、情熱と執念の結晶体。漆黒、です。

img_20160921_155438-1600x898

カラー挿絵も豊富、定番の奇書からタイトルの文字列に出会う事も稀な世界の外側にある一冊まで、読書家にとっての遊園地がここに。

img_20160921_155515-1600x898img_20160921_155601-1600x898img_20160921_155632-1600x898

鹿島氏の熱っぽくもライトな語り口が秀逸な一冊。

熟練のコレクターにも読書に興味を持ち始めた若人にも、本を愛するという事の喜怒哀楽がストレートに伝わる良書です。

吉井勇 歌集「悪の華」 竹久夢二木版装丁・函

優美で整った語り口、爵位持ち、愛妻家。谷崎・白秋・啄木らと親交を持ち、耽美派ながら誠実な作風を極めた吉井勇の心象がこだまするような歌集。

竹久夢二の手による木版装丁に天金が麗しい一冊です。

img_20160910_153818-1600x898

タイトル絵も残酷ながらどこか「粋」を感じさせる雰囲気。

1頁2首という贅沢な配置が吉井短歌の深みある言葉の響きを、より強く共鳴させます。

img_20160910_154025-1600x898img_20160910_154053-1600x898

約90年前、この本に心震わせたであろう少女の。鉛筆書きなので消せますが、遠い記憶に思いを馳せるのも古書の価値です。

img_20160910_154124-1600x898

名のよく通った大文豪にも、志をともにした同人仲間がいて、その彼にもファンがいて、今に残る足あとがあり、いつか今の人達も。

この本もきっと、ずっと巡ってゆくでしょう。

澄んだ歌の内容も、美麗な装丁も、保存状態も全て良好。貴重な一冊です、オススメいたし升。

ヤンセン 著/種村考弘 訳「リッツェ」初版帯美本

現代線描画の最高峰と謳われながら自ら狂人を名乗ったホルスト・ヤンセン。

彼の「複製拒否」の絵物語リッツェ、翻訳の奇術師・種村訳にして耽美の博覧会場・トレヴィル刊行。

img_20160910_160339-1600x898

滴るような赤い装丁を際立たせるヤンセンの絵。タイトルの書体もこれ以外にナシと感じます。

img_20160910_160404-1600x898

冬に閉ざされた城、美しい少女と少年たち。ヤンセンの描線が閉鎖空間で起こる無邪気さに導かれた残酷な「性」を、痛々しいほど優しく柔らかく切り取ります。

img_20160910_160505-1600x898img_20160910_160534-1600x898

子供の頃の残酷な自己の側面を思い出して、大人になってから身震いした方は多いのではないでしょうか。

「美しさ」をそれらに付与しようとするヤンセンの筆は、もしかすると当時の少年ヤンセンへの一つの供養、なのかもしれません。痛みなく、美本です。

「うつわ・あにゆある」創刊準備号 澁澤龍彦・塚本邦雄 他

 

秋と言えば、名月に傾ける団子と盃。そしてウツワ。

幻の冊子うつわ・あにゆある、創刊準備中が棚からぽとり。

IMG_20160830_151620-1600x898

高名な古楽器製作者からイッセーミヤケ、我らが澁澤龍彦氏などなど。

ちょっと豪華過ぎるメンバーがそれぞれのウツワ観をアンケート形式に語ります。

IMG_20160830_151759-1024x1824

よく見れば編集サイドもゴージャスな顔触れ、この冊子を世にだした器皿産業様に乾杯です。

IMG_20160830_151830-1600x898

英訳版とセットになっていたり繋がりの分からない各方面の人選と、どこか不思議なこの冊子。

大物達のエピグラムめいたウツワ観と相まって、秘密結社の機関誌のような雰囲気が、秋の夜長の枕元に妙に合うようです。

トワイヤン&イヴシック・著/松本寛治・訳「塔の中の井戸~夢のかけら」 カラー12葉付豪華版

生田耕作の門下にて、その魔術的な翻訳術を学んだ松本寛司。

トワイヤンの妖艶かつお洒落なカット12葉にイヴシックの繊細な詩を添えて、エディションイレーヌより感嘆の吐息と共に。

IMG_20160731_155452-1600x898

造本はアトリエ空中線。やはり間奈美子氏の仕事は、余白に魂がやどります。

IMG_20160731_155621-1600x898IMG_20160731_155909-1600x898

2016年、この夏から秋にかけてブルトン没後50年のイベントを主催する松本氏とエディション・イレーヌ。

フランス大使館の後援をも得るシュルレアリスムへの情熱とフランス文学に対する愛が、この一冊からもひしひしと伝わります。

ウィリー・ポガニー挿画「リヒャルト・ワーグナー タンホイザー組曲」普及版

ワーグナーのかの有名なオペラ「タンホイザー」。

ポガニーの美麗な挿絵が人気の一冊、時間を忘れて見入ってしまいそうな一冊です。

IMG_20160731_153154-1600x898

多少の傷み・汚れあり。

本文、特に挿絵の発色は良好に残っています。

IMG_20160731_153237-1600x898IMG_20160801_101915-1200x674

カラー彩色画は取り外しも可能、鮮烈な印象をうけるペールトーン。

ページを繰るごとに目に飛び込んでくる言葉と図像のデザインに、何時の間にか我を忘れて酔いしれてしまいそう。

IMG_20160731_153329-1200x674IMG_20160731_153334-1200x674

一世紀半、それよりもずっと前から、書物に携わる人々は彼らのイメージを紙の上に現出させるために、あらゆる手段を作ってきたのでしょう。

今では滅びつつある贅沢で奔放な「書籍創り」の愉悦を、存分に楽しめる一冊です。

柳川春葉「生さぬなか(なさぬなか)」 木版美人画二葉付、美本

尾崎紅葉に師事し、泉鏡花らとともに門下四天王と謳われた達人・柳川春葉。

明治・大正にかけて大ヒットとなった連載小説の単行本。木版美人画2葉付きです。

IMG_20160731_154903-1600x898

函・表紙の色彩の鮮やかさに圧倒されます、付属の美人画も額装して飾りたくなる出来栄え。

IMG_20160731_155012-1600x898

当時の特徴的な文字遣い・装飾は、100年後の今にさらに味わい深いです。

IMG_20160731_155044-1600x898

再婚や継母との複雑な関係など、女性や恋愛に対して独自の苦楽を味わった春葉。

美人画への拘りの源を考えると、遥か明治大正をいきた文豪も、少し近く感じるようです。

金子國義 「METONIMIE」 

当店刊行の金子國義・手彩色版画含む版画集「MENOTOMIE」、一枚一枚のバラ売りもしております。

23 - 12

起毛感のある手触りのよいカルトンに質の良い紙・・作品を構成する、ひとつひとつに拘りました。

23 - 11

一冊ごと、はもちろんバラ売りのご要望もお気軽にお申し付けください。

10枚の作品から特等のお気に入りを探しつつ、じっくりご歓談・お寛ぎくだされば幸いです。

ローチェストコーナー・山本六三

店内の一角、アンティークのローチェストに山本六三の作品で小さなコーナーを設置しました。

IMG_20160614_155712-1200x2137

大型の、華やかなリトグラフ。こぶりながら手製マットがユニークな逸品。凛々しい美男子の挿絵の絶版本…。

IMG_20160614_155739-1200x2137

死神と踊る乙女たち。

IMG_20160614_155751-1600x898

こちらの隠喩の愉悦漂う作品は、六三氏手製の台紙がゴージャスな印象。

IMG_20160614_155812-1600x898

挿絵から大小それぞれの一枚物まで、微かに味わいを変える六三ワールド。

その香りの一端でもお届けできれば幸いです。

 

※上部大型リトグラフは非売品になります。

重松成美 リトグラフブック 「マダム・エトワルダ」限定25部 手刷りリトグラフ11葉揃い

強い抽象性の中にどこか肉感的な香りを漂わせ、晩年の三島由紀夫の著作にも重用された画家・重松成美のマダム・エトワルダ、限定500部手刷りのリトグラフで構成された豪奢なブックです。

IMG_20160608_150024-1600x898

上等の紙に贅沢に取られた版組、対応するリトグラフの躍動。

IMG_20160608_150127-1600x898

IMG_20160608_150051-1200x2137

意味や情景を汲む、という読書にとって大事なプロセスとその為の知覚が、ジリジリと研ぎ澄まされてゆくようです。

IMG_20160608_151122-1600x898

重松成美のリトグラフは、その他一枚物も色々と取り揃えております。

所有者にとって何か象徴的なレリックとも成りうる密度を持った作品群、どうか一つ一つご覧になって頂ければ幸いです。