小栗虫太郎「金字塔四角に飛ぶ」 1976年 桃源社初版帯付き

一級の奇書「黒死館殺人事件」の作者・小栗虫太郎によるタイトルからして奇怪な一冊。

桃源社刊行、函帯付きの入荷がございます。

1900年代初頭よりの日本の異端文学を多くリリースした桃源社。

帯の一文にも熱が入ります。

二段組本文、巻末評伝とおなじみの手厚く情熱的な本作り。

ファンにも初読者にとっても有難い充実度です。


小栗虫太郎独自の世界を堪能出来る一冊、是非吟味下さいませ。

国枝史郎「神州纐纈城」 1969年 桃源社4刷 函帯読者カード付き

「三田文学」「青鳥会」などに参加し、耽美・幻想文学の愛好者に高い評価を受ける国枝史郎。

桃源社によりその名を知らしめた代表作、重版物をお手頃な値段で入荷してございます。

函帯付き、60年代末の書籍にしては状態は良好です。

ワインレッドを基調とした印象的な装丁。

巻末の作者評伝も充実の内容。

未完作品ながら本文二段組を要するボリュームに、作者の執筆への情熱が伺えます。

その繊細な湿度を帯びた美文の強い中毒性、是非お楽しみ下さい。

野村胡堂「胡堂百話」 1959年 角川書店初版 函帯読者カード新刊スリップ付き

「銭形平次」の執筆者として知られ、洒脱な日本文化に親しんだ野村胡堂。

角川書店より刊行のエッセイ集に漂う軽妙で心地よい筆致。

シンプルながら目を引く函、丁寧な本体の造り。

経年のイタミはあれどその分気軽に頁を繰れるやも知れません。

泉鏡花への言及も。

読者カード、新刊スリップも付属しています。

極短い文章を多く収録しながらも、一つ一つの語りの濃さを楽しめる良著となっています。

唐十郎「雨月の使者」 合田佐和子挿画 1996年 エー・ジー出版初版 帯月報付き美本

唐十郎の書くポエジーと、合田佐和子の創るイメージの溶け合い、そこから立ち昇る圧倒的な美。

エー・ジー出版よりの意欲作、極美本を入荷しております。

画集と言っても差し支えないボリュームの合田佐和子作品の占める頁数。

唐十郎の言葉の熱を帯びた氾濫。

丁寧な印刷と文字組、書籍としてしっかりとした造りをも有しています。

現在も静かに、精力的に活動を続ける二者の、その真摯な美学の共演が素晴らしい良書となっています。

中田耕治「メディチ家の人々」 1979年 集英社初版

評伝の名手・中田耕治によるメディチ家を巡る壮大にて美細な一冊。

その名家の眩暈のするような足取りに引き込まれます。

詳細な目次を追うだけで掻き立てられる好奇心、かすかな後ろめたさ。

巻頭に付属の家系図も見所です。

「わが家にカインはいらぬ」。

金色に彩られた仄暗い名言の数々。

中田耕治のキレのある美文と、往時の社交界での様々の親和性。

是非のご一読をお勧め致します。

澁澤龍彦「犬狼都市」 1962年 桃源社初版 函ヤヤイタミ 正誤表付き完本

澁澤龍彦の人気作の一つ「犬狼都市」。

桃源社より刊行の元版は品の良い造りが随所に見られるとても美しい一冊です。

函には斑状のイタミあり、本体はビニールに守られ本文、表紙ともに極美しく保たれています。

正誤表付きの完本になります。

グレーの表紙に金の枠。グリーンで刷られた文字。

小さくカットされた箔押しのタイトルプレートはサバト館の本にも多く見られるスタイルです。

翻訳家のみならず、小説家としてもユニークな才を発揮した澁澤龍彦。

初期の冠小説として今なお多くの読者を魅了する素晴らしい作品です。

沼正三「家畜人ヤプー」 都市出版社 1970年重版 函付き

その余りに奇妙で反道徳的な内容から多くの物議を醸し、トラウマを遺した「家畜人ヤプー」。

連載時原稿に近い初期型の単行本として今も人気の高い都市出版社版が入荷しております。

函にイタミ・ハガレあり。

本体はパラフィンに保護され比較的良い状態です。

二段組みの本文と挿絵は緑のインクで印刷をされ、読みやすい中に奇異な印象を閉じ込めています。

反道徳、反体制、反男性主権、残忍なまでの逆行が誘うめくるめく倒錯に、いつしか快く溺れてしまうような作品です。

鷲巣繁男「ポエーシスの途」 牧神社 1977年初版 函付き

古代と異端の詩歌に耽溺し、独自の地位を確立した詩人・鷲巣繁夫。

上質なクロス装も美しい牧神社刊行の名著「ポエーシスの途」、1977年の物です。

函に経年のイタミややあり、本体は状態良く保たれています。

箔押し、マーブル紙など、凝った装丁。

多くの作例を引きながらも、読みやすく組まれた版の美しさ。

多くの文学と言語の内に、グノーシス的なる自らの文学世界を作り上げた鷲巣繁夫。

彼の詩神へいたる旅路の一端が垣間見えるような強い印象を残す一冊となっています。

饗庭孝男「石と光の思想」頸草書房 1980年重版 函付き

日本と西洋の思想・文化への深い思索をもってフランス文学の研究に大いなる足跡を残した饗庭孝男。

若き日に目にしたヨーロッパの姿を瑞々しい感性で記した著作、頸草書房版を入荷しております。

空のような、若しくは鉱石のような装丁が印象的。

函、本体ともに良好な状態です。

シンプルながら要所で感じる遊び心、切り取り方の上手い図版など楽しく読み進められます。

ヨーロッパを丁寧に、新鮮に読み解くような内容に、著者の文化への誠実さを見るよう。

西洋文化論への入り口としてもオススメを致します。

日夏耿之助「サバト恠異帖」 国書刊行会 1987年初版

現在も素晴らしい書籍群を次々と刊行しファンを唸らせる国書刊行会によるクラテール叢書の6番。

東西の恠異を饒舌に、かつ緻密に語り尽くす怪奇・幻想ファン必携の一冊が到着しております。

シンプルに取られた扉、圧倒的な密度で書かれる恠異の数々。その夜の深さ。

図版の刷りも美しく、しっかりと闇を浮かび上がらせています。

翻訳家・文筆家として多くの学識を呑み込んだ日夏耿之助。

その闇夜の濃い部分を丹念に抽出したような良書となっています。