バタイユ「淫らの塔」 生田耕作訳 1983年 サバト館 訳者署名入り美本

煽情的でありながら、限りなく美しい文学を生み出したバタイユ。

日本においてその普及に多大なる影響を与えた生田耕作とサバト館による一冊。

訳者署名本になります。

影に吸い込まれそうになる、漆黒の想定。官能的なラベル様のタイトル。

端正な署名と、書籍本体の保存状態も良好です。

丁寧な漉き見える本文用紙に並ぶバタイユと生田耕作の美学、その一字一句への陶酔。

挿絵も多く、かつ美麗です。

近年、再び注目の高まる文学、アートに於けるエロティシズムとその表現。

危うくも美しいその世界への耽溺を誘う、魅力ある作品です。

澁澤龍彦「黄金時代」 1971年 薔薇十字社 初版函帯付き 著者署名入り美本

没後30年を経て、今なおファンを増やし続ける澁澤龍彦。

名著「黄金時代」の程度の良い署名本が入荷しております。

深い緑に黄金の箔押しが見事な装丁、薔薇十字社の確かな仕事が光ります。

署名にもゴールドのペンを使う澁澤龍彦の遊び心。

奔放に、執拗に、自らの好奇心を掘り下げる様な充実した内容も素晴らしいです。

多くの著作と、多くの影響を振り撒いて旅だった澁澤龍彦。

その「黄金時代」の息遣いを感じる、優れた書籍のひとつとなっています。

龍膽寺雄「風-に関するエピソード」 1976年 サバト館美本

サボテン研究家としても知られる奇才・龍膽寺雄による短篇作品。

1946年に刊行された一冊のサバト館による復刊です。

フランス装の表紙に刷られた、どこか陰鬱な風景。

水色の配色が効果的に使用されています。

読者カード・刊行案内付き、状態も美しく保たれています。

愛好家も多く、現在高額になる事もある龍膽寺雄の著作。

入手の難しい過去の名作を多く掘り起こしたサバト館の重要な結実でもある一冊です。

小栗虫太郎「紅殻駱駝の秘密」 1970年 桃源社 初版 函帯読者カード付き

日本探偵小説三大奇書として名高い「黒死館殺人事件」の著者・小栗虫太郎、その最初期の作品「紅殻駱駝の秘密」。

桃源社の熱意ある造本にて、1970年刊行の物が届いております。

怪しげな配色の函に納められた漆黒の装丁、真紅に踊るシルバーのタイトル。

帯、読者カードも付属し、良い状態を保っています。

二段組みの本文、みっしりと詰まった文字から香る物語の体温。

付随する小伝も充実した内容です。

惜しまれつつも若くして急逝した小栗虫太郎。

現在も読まれ続けるその独自の世界に浸れる良著になっています。

澁澤龍彦「手帖三部作」 1971-73年 桃源社 初版函美本 三冊揃え

一般に流通した書籍として、あまりに美しく完成された書籍のひとつ。

澁澤龍彦、手帖三部作「黒魔術の手帖」「毒薬の手帖」「秘密結社の手帖」、状態のよい物を三冊揃えで入荷しております。

堅牢な函、箔押しタイトル、良質な本文紙、見開きや各装飾の丁寧な仕上げ。

そしてそこに納められた澁澤龍彦の愛するそれら世界への愛。

小口までそれぞれの表紙と同じ色に塗られたその美学に、今も代表作のひとつに数えられる圧倒的な存在感が漂います。

特装本・限定本ではないにも関わらず、ここまでの仕事が叶った70年代と澁澤龍彦という奇跡。

刊行より50年を経そうな今も、シミ・ヤケ一切のイタミなく、100年の先へも残したくなる書物です。

塚本邦雄/寺山修司「火と水の対話」 1977年 新書館 初版

塚本邦雄と寺山修司、それぞれに孤高の美学を世に生み出し続けた二者による対談集「火と水の対話」。

新書館刊行の優れた企画の一冊。

章毎に掲げられたテーマに沿って、時に奔放に時に緊密に重ねられる対談。

そのテーマ自体が目を惹くものであり、二者の美学を反映する様です。

巻末のいろは歌合戦で繰り広げられる奇想の大遊覧。

この企画が通り、部数をもって刊行されて行く当時の出版界をとても眩しく思います。

塚本邦雄、寺山修司それぞれのファンには勿論、現代日本文学の耽美なる流れの愛好家にもお勧めな良著となっております。

稲垣足穂「ライト兄弟に始まる」 徳間書店 昭和45年 初版函帯美本

少年愛、天体、機械や煙草への偏愛など、タルホ作品を形作る多くの要素にあって、非常に重要な位置を占める飛行機。

単行本一冊分を使ってなお語り尽くせぬ愛に溢れたヒコーキ論に陶酔できる一冊です。

函、帯、本体、全て状態良好です。

目の覚めるような青の見返しの挟まれた粋で堅牢な造本は大手出版社ならでは。

ライト兄弟に始まりタルホの心に息づくプロペラ機たちの記憶と幻想。

一人の愛好家少年のようなキラキラとした視線が覗くような、甘美な筆の運び。

耽美と純粋の入り混じったタルホ・コスモロジーへの入り口としても楽しい一冊。

是非お手にとってお楽しみ下さい。

 

 

古沢岩美「画集 千夜一夜物語」 ノーベル書房 昭和50年 初版函極美

日本における初期シュルレアリスム運動に活躍し、独自の絵画を完成させた古沢岩美。

アラビアンナイトを画題とした大判の美麗画集が店頭に届いております。

函、本体ともにとても綺麗な状態です。

カラー図版も圧倒的な量を収録し、白黒ページの印刷も細部の描き込みまで美しく出ています。

巻末には往年の画家・古沢岩美のアトリエでの姿やインタビューも掲載。

その作品、その姿に、ファンのみならず引き込まれる、充実した内容の画集になっています。

酒井潔「奴隷祭」 竹酔書房 昭和6年 初版函

大正末期からのエログロナンセンス文化を牽引し、澁澤龍彦ら後の文人へも強い影響を与えた酒井潔。

彼の代表的な著作「談奇集」より二作目「奴隷祭」が入荷しております。

戦前刊行につき函、表紙にはイタミなどあり。

本文は比較的良い状態を保っています。

躍動感のある豊富な図版に、煽情的なタイトルが並びます。

鞭打ちに焦点を当てて描き尽くされるエロス奇譚の数々。

その饒舌な語り口に、酒井潔の文筆の妙を味わえる一冊です。

江戸川乱歩「黒蜥蜴」 ふじ書房 1946年初版

通俗小説の流れに在りながら江戸川乱歩の代表作として有名な「黒蜥蜴」。

ふじ書房による1946年発行の物を入荷してございます。

強烈に主張してくる黒×赤の装丁。

扉のデザインにも味わい深さがあります。

経年のヤケはありつつも、本文には支障なし。

怪しく珍奇な様々が整列する乱歩の世界へ否応無く誘われてゆきます。

日本を代表する推理・探偵小説家として、また随一の奇譚の語り部として現在も愛好家を増やし続ける江戸川乱歩の代表作。

深い夜のお供の一冊に是非のお勧めを致します。