ロップス「版画集 Les diaboliques」 版画10葉綴り革背マーブル装

19世紀末の退廃と耽美を描き出し、多くの文人と交流を持ったロップス。

ドールヴィイ著作「悪魔のような女たち」に関連して作られたと思われる版画集、こちらは年始よりのロップス展出展品となります。

100年以上前の物ながら、背の革、マーブルの外装は状態よく、また銅版画シートはいずれもヤケシミなど一切なく。

素晴らしい保存状態を示しています。

スフィンクスの背に座る悪魔と横たわる女の艶かしさ。

インクも深い黒さを保っています。

一月五日の年始よりのGalleryLucifer presents 「フェリシアン・ロップス展」にては他にも多くの貴重な書籍を版画作品と共に展示・販売を致します。

悪魔的なる事象を美に昇華したロップスの作品たちを是非ご高覧下さい。

マンディアルグ著/ビアズレー挿画「ビアズレーの墓」 生田耕作訳 サバト館 天金装初版函付き美本 274/950限定

国内においてビアズレーの美を一躍知らしめた金字塔、サバト館刊行「ビアズレーの墓」。

秀逸な装丁に納まるマンディアルグ著/生田耕作訳の陶酔。

草色の函、金箔押しの表紙、天金仕上げ、本文の装飾に至るまで貫かれた美学。

退廃の甘美な輝き。

生田耕作の妙訳にて、マンディアルグとビアズレーの交歓が鮮やかに頁から立ち上ります。

装丁も翻訳も、選書も優れたサバト館の書籍。

愛読し、愛蔵されるその麗しさを是非お手にとってお確かめ下さい。

ジャン・ド・ニノー「狼憑きと魔女」 工作舎 初版帯付き

独特な選書によりユニークな海外の書籍を多く翻訳した工作舎よりジャン・ド・ニノーによる作品が入荷しています。

「狼憑きと魔女」、魔術からフォークロアまでを鋭く考察する名著。

多くの資料、引用を用いて炙り出される魔なるものたちの輪郭。

本文装飾なども章ごとに変えられ、凝った造りになっています。稀少な図版も多く収録。

近年また盛り上がりを見せ、SNSなどでも拡がりを見せる魔術や呪いの文化。

多くの出典資料とともに、それらの世界へ潜る際への手引きにお薦めを致します。

海野弘「部屋の宇宙誌」 TBSブリタニカ 初版

ヨーロッパにおいてはその生活の隅々に黙して潜む、神秘と珍奇の符丁。

海野弘による「部屋の宇宙誌」では、家具・インテリアの分野からその多くを拾い上げています。

絢爛な表紙、豊富な図版。

インテリア本らしからぬ単語が飛び交うレポートの数々に心が踊ります。

暖炉、カーテンなどの馴染みのあるインテリアから、チャイニーズルームなど現代ではあまり聞かない様式の物まで。

本好きにとっては書斎を構成する多くの調度品に、新しい興味が芽生えそうなユニークな一冊。

年末年始の大掃除、模様替えの前のご一読に如何でしょうか。

コクトオ「ポトマック」 澁澤龍彦 訳 薔薇十字社 初版函帯完本

現代でもファンの多い、美男子にして詩人のコクトー。

彼の初の小説作品「ポトマック」、訳者は澁澤龍彦というハマリ訳にて薔薇十字社より。

力強くモダンな装丁。

若き日のコクトーの写真も数点掲載。

函、表紙にヤケなどはありますが、読者カード、帯付きの完本になります。

強い個性と、繊細な感性、秀麗なルックスを備えた稀代の詩人コクトーの描く青春の日々。

忘れ得ぬ名訳と共に是非お楽しみ下さい。

A.アレー「悪戯の愉しみ」 山田稔 訳 みすず書房 初版帯完本

ブルトンなどからも高い評価を受けた圧倒的なユーモアと、社会へのカウンター。

アルフォンス・アレーの名著、みすず書房刊行。

「黒いユーモアという言葉は、まさに彼のために作られた」、帯に踊る澁澤龍彦の感嘆。

山田稔による軽快な訳も、ここに収められた語り口の鮮やかさを際立たせています。

時代の華やかな側面に背を向けながら、愛と毒を等分に混ぜた言葉を投げ掛けたアレー。

軽口の様な、警句の様な、彼の話の数々に一人酔いしれる愉しみに溢れた一冊です。

永井荷風「雑草園」 中央公論社初版函

日本を代表する文学翻訳者にして、繊細で奥行のある随筆を多く遺した永井荷風。

後期の随筆集・雑草園には、彼の文学の完成に至る無数の断片に触れる事が出来ます。

若き日の洒落た装いの荷風。

文学という芸術が、他の多くの文化を牽引していた日々。

大正ごろから戦後間もなくの書籍によく見られるこういった囲み罫は、永井荷風の美文に不思議としっくり馴染む気がします。

翻訳家として溢れる程の海外の思想や文化に触れながらも、その感性の純粋は濁りなく。

雑草に煌めく朝露のように、透明に切り取られた記録に親しめる一冊です。

ユイスマン「さかしま」 澁澤龍彦訳 桃源社元版函極美 正誤表付き完本

耽美、退廃、魔術。泥沼からの跳躍。世紀末デカダンを代表するユイスマンスの傑作・さかしま。

澁澤龍彦による翻訳を桃源社の熟練した装丁に包み、非常に完成度の高い一冊です。

白い表紙に黒革の背から漂う確固とした美学。

二色刷本文に緻密な挿絵が入り、ページを繰る愉悦も芳醇。

読者カード、新刊案内、そして正誤表付きの完本となります。

函の背以外には一切のイタミもない極美しい保存状態です。

1962年、澁澤龍彦作品としては比較的初期の訳でありながら、ユイスマンの美学との共鳴の中に素晴らしい美文を生み出しています。

指に馴染む冷たい革の感触の中で読む楽しみを是非お味わい下さい。

山田登世子「娼婦」 日本文芸社 初版函帯

バルザックの研究者として、またファッションや恋愛分野での著作も多い仏文学者による「娼婦」をテーマとした著作。

図版も美しい物を多く収録し、その魅惑的な存在へ深く切り込んでゆく筆致に引き込まれます。

書籍本体は純白の装丁、それはまったく正しいと思わせる説得力ある装丁です。

ファッションにも造詣の深い著者らしく、図版にも極めて美しい物がセレクトされています。

耽美・幻想分野ならずとも、芸術に於けるテーマとして多く登場する娼婦という存在。

その美しさを丹念に綴った、良質な一冊です。

日夏耿之介「残夜焚艸録」 竹村書房 初版限定1000部本

いち早く国内の文学における幻想美の研究に尽力し、後に澁澤龍彦へも影響を与えた日夏耿之介。

随筆を多く執筆した時期に刊行された「残夜焚艸録」、1000部本を入荷しました。

古い書籍ながら、本文はほとんどヤケ・シミなく。印影も美しく残っています。

ゴシック・ロマンを掲げた学匠詩人の扱うテーマは、評論分野に於いても独特の美学が貫かれています。

魔術、幻想、ゴシック…そう言った文化の日本での源流の一つとして、若い読書人の方にも評価の高い日夏作品。

取っつきにくい印象もある評論・随筆ですが、鮮やかな専門性を楽しむに必携の内容が備わっています。