ジャリ「超男性」 1975年 白水社初版 函帯読者カード新刊スリップ刊行案内付き

34歳の短い生涯を走り抜け燃え尽きたアルフレッド・ジャリ。

シュルレアリスム文学の傑作として知られる「超男性」を澁澤龍彦の名訳にて。

数多のシュルレアリスム文学・幻想文学を刊行した白水社の装丁は、普及版においても品のあるものが多いです。

読者カード、月報、三色刷り刊行案内を付属。

詩とも物語ともつかないうわ言のようなフランス文を端正に訳した澁澤の筆致。それを見事に写す文字組、余白。

実に奇妙ながらも忘れ得ぬ美しさを備えた傑作となっております。

ベックフォード「ヴァテック」 矢野目源一訳/生田耕作補訳・校正 1974年初版 函付き極美完本

英ゴシック文学の最高傑作と名高いベックフォード「ヴァテック」。

矢野目源一の名訳に生田耕作の補訳によるまさに銘訳本、付属品完備の完本になります。

函、本体、小冊子、全て一切のヤケイタミ無し。

緩やかに取られた余白と高密度の耽美、幻想。

矢野目源一の後書きと生田耕作の小伝冊子。

これらを読むだけでも購入する価値が十分にあります。

美しい文学を美しい装丁で、牧神社の造本も麗しい一冊。

是非書斎への常架をオススメ致します。

ダンセイニ「牧神の祝福」 杉山洋子訳 1981年 月刊ペン社初版 月報ミニリーフ付き美本

ファンタジー、ゴシックなどの分野で印象的な翻訳作品を書く杉山洋子によるダンセイニ「牧神の祝福」。

月刊ペン社刊行の妖精文庫より、1981年初版刊行。

表紙のコラージュ作品が微かな不気味さを隠した妖精界の花期を予感させます。

短い作品が多く気軽に読める一冊ながら、没入させる確かな魅力に溢れています。

荒俣宏による妖精に関するミニリーフレットも付属し、図版も豊富な充実した内容。

タルホファンに於ける一千一秒物語のように、ダンセイニ作品への入り口(そしてゴール)として楽しむのも良いかも知れません。

中田耕治「メディチ家の人々」 1979年 集英社初版

評伝の名手・中田耕治によるメディチ家を巡る壮大にて美細な一冊。

その名家の眩暈のするような足取りに引き込まれます。

詳細な目次を追うだけで掻き立てられる好奇心、かすかな後ろめたさ。

巻頭に付属の家系図も見所です。

「わが家にカインはいらぬ」。

金色に彩られた仄暗い名言の数々。

中田耕治のキレのある美文と、往時の社交界での様々の親和性。

是非のご一読をお勧め致します。

ワイルド「サロメ」 福田恆存訳 1958年 新潮社 帯付き 2000部限定本

オスカー・ワイルドによって書かれた耽美文学の一つの極点、戯曲サロメ。

多くの翻訳家の作の中にあって、劇作家としても活躍した福田恆存の翻訳には独自の味わいが光ります。

経年のヤケありながら帯も付属。

本文は比較的良好に残り、多くの図版もビアズレー挿画のサロメに忠実に収録しています。

新潮社より限定2000部の発行。

耽美性の中に勢いのある悪辣を孕んだワイルド作品にしっくりくる名訳が光る良著となります。

ギャラリースペースにて2018年9月に開催のサロメ展では、こちらの元となったビアズレー挿画オリジナル初版の品も展示予定です。

鷲巣繁男「ポエーシスの途」 牧神社 1977年初版 函付き

古代と異端の詩歌に耽溺し、独自の地位を確立した詩人・鷲巣繁夫。

上質なクロス装も美しい牧神社刊行の名著「ポエーシスの途」、1977年の物です。

函に経年のイタミややあり、本体は状態良く保たれています。

箔押し、マーブル紙など、凝った装丁。

多くの作例を引きながらも、読みやすく組まれた版の美しさ。

多くの文学と言語の内に、グノーシス的なる自らの文学世界を作り上げた鷲巣繁夫。

彼の詩神へいたる旅路の一端が垣間見えるような強い印象を残す一冊となっています。

饗庭孝男「石と光の思想」頸草書房 1980年重版 函付き

日本と西洋の思想・文化への深い思索をもってフランス文学の研究に大いなる足跡を残した饗庭孝男。

若き日に目にしたヨーロッパの姿を瑞々しい感性で記した著作、頸草書房版を入荷しております。

空のような、若しくは鉱石のような装丁が印象的。

函、本体ともに良好な状態です。

シンプルながら要所で感じる遊び心、切り取り方の上手い図版など楽しく読み進められます。

ヨーロッパを丁寧に、新鮮に読み解くような内容に、著者の文化への誠実さを見るよう。

西洋文化論への入り口としてもオススメを致します。

日夏耿之助「サバト恠異帖」 国書刊行会 1987年初版

現在も素晴らしい書籍群を次々と刊行しファンを唸らせる国書刊行会によるクラテール叢書の6番。

東西の恠異を饒舌に、かつ緻密に語り尽くす怪奇・幻想ファン必携の一冊が到着しております。

シンプルに取られた扉、圧倒的な密度で書かれる恠異の数々。その夜の深さ。

図版の刷りも美しく、しっかりと闇を浮かび上がらせています。

翻訳家・文筆家として多くの学識を呑み込んだ日夏耿之助。

その闇夜の濃い部分を丹念に抽出したような良書となっています。

ドールヴィリー「真紅のカーテン」 生田耕作訳 サバト館 1987年初版 訳者署名入り極美

黒を基調とし、真紅と金の箔押しが素晴らしい装丁の一冊。

サバト館・生田耕作によるバルベー・ドールヴィイの名著、訳者署名入りの物になります。

函、本体共にビニールで保護されており、経年のイタミからも万全に保護されています。

一般的な単行本よりやや大きめのサイズ、頁いっぱいに広がる迷宮のように端正な美文。

署名の運びも流麗に。

いささか旧く大仰な感性を漂わせるドールヴィイ作品は、一方普遍的な美徳を常に透かし見せるような美しさを感じます。

ユリイカ「臨時増刊 禁断のエロティシズム」 1992年 青土社美本

時代の求める優れた特集を多く組む、名雑誌ユリイカ。

1992年刊行の臨時増刊にて、エロティシズムを主題にした一冊。状態はとても良好です。

抽象的ながら躍動感に目を惹かれる表紙、その鮮烈な真紅。

多くの名著家と芸術家の名が並ぶ目次に圧倒されます。

カラーの図版も相当な量を収録し、またそのセレクトのひとつひとつがマニアックかつハイレベルです。

澁澤龍彦によるゾンネンシュターンの評論も掲載。

美術誌、文芸誌、評論誌、そういった存在のあるべき姿を鮮やかに体現したような1992年のユリイカ。

その熱と切れ味に脱帽してしまう、優れた仕上がりになっています。