須永朝彦「天使」 初版帯・署名入り 他初版本

吸血鬼・亡霊・天使や悪魔などの幻想界を生きる存在と、今もっとも親しく交際していると思われる作家・須永朝彦。

装丁も麗しく、短編集「天使」の署名入り美本、入荷しております。

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流石のコーベ・ブックス。色の組み合わせもステンドグラス風のデザインも、全てがこの本にマッチしています。

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澁澤作品や荒俣氏の著述とは、また違った密度と軽妙さのある筆致。

インクから立ち上る印象は、負けじ劣らず幻惑的な美しさに溢れています。

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その他サイン本、初版本など多数入荷いたしました。

月の匂いにむせ返ってなかなか眠れない、そんな夏の夜は未知の世界への妖しい扉を、氏の本を片手に潜ってみたいものです。

柳川春葉「生さぬなか(なさぬなか)」 木版美人画二葉付、美本

尾崎紅葉に師事し、泉鏡花らとともに門下四天王と謳われた達人・柳川春葉。

明治・大正にかけて大ヒットとなった連載小説の単行本。木版美人画2葉付きです。

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函・表紙の色彩の鮮やかさに圧倒されます、付属の美人画も額装して飾りたくなる出来栄え。

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当時の特徴的な文字遣い・装飾は、100年後の今にさらに味わい深いです。

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再婚や継母との複雑な関係など、女性や恋愛に対して独自の苦楽を味わった春葉。

美人画への拘りの源を考えると、遥か明治大正をいきた文豪も、少し近く感じるようです。

木水彌三郎「四行詩集・花逢ふ」 サバト館・限定350部・手書きの句一葉付き

サバト館刊行、限定56/350部の物。手書き一句一葉付き。

木水彌三郎・花逢ふ。

桐箱を思わせる白いケースに汚れのひとつもなし、です。

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極めて贅沢に、そして文字に没頭する感覚に沿って配置された詩行と余白。

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高潔なまでに研ぎ澄まされた作者の筆から最大限のイメージを引き出すような丁寧な造本。

そしてその上で澄みきる詩人木水の言葉の舞踊。素晴らしい上作です。

藤原月彦「盗汗集」 端渓社・限定100部・自筆書き込み一句

内省的かつ、鮮やか。

美文としての句を自己の結実に極めた藤原月彦「盗汗集」、端渓社より刊行の限定100部。

手書きの一句も胸を締めるようです。

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状態、ほぼ新品。

花の闇も鮮やかに、この本にまだ生き生きと。

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本の造り自体から受ける古風な印象とは裏腹に、言葉はただただ純粋で、美しく。

若い読書人の色々なスイッチを入れてしまいそうな、危うくも美しい感情がつまっています。

澁澤龍彦「エピクロスの肋骨」 福武書店・初版完本 

今は亡き文豪・澁澤龍彦の、今は無き出版社・福武書店より出した遺作「エピクロスの肋骨」。

初版帯、読書カード付き、痛みもなく極々上等な状態です。

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挿し絵の白黒の切れ間も鮮やか、それと対比を描く幻覚的に軽やかなイメージの飛翔。

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この読書カードは、今出せば誰に届くのでしょう。

読むにつれてどこか遠くて行きたくなるような一冊、この夏のお供にもオススメです。

山口椿「ナージャとミエーレ」 リブロポート/トレヴィル・初版美本

1990年初版発行、山口椿による「ナージャとミエーレ」。

若きアーティストと少女たちの瑞々しくも退廃的な交際を描いた作品です。

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ミルキィ氏による装丁も品がありつつも高揚を誘い、流石です。

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現代的な文字組、余白の取り方ながら読書にすうっと入っていける印象。

ページ上部の装飾もこの本の為にデザインを降ろしたのでしょう。贅沢。

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装飾や装丁、書籍全体から感じるヨーロッパな雰囲気が小説世界とうまく噛み合い、完成度の高い一冊に仕上がっています。

この本に描かれる物語はすこしオンラインでは…ぜひ店頭でご賞味下さいませ。

吉増剛造 詩集「わが悪魔祓い」


大御所・吉増剛造の若き日のパッションが滲み出る、青土社刊行「我が悪魔祓い」初版美本です。

函のデザインから攻めてます。

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扉にはミラー紙・サイケデリックな色彩のイラストを配し、本文の質量を感じるような凄みを引き立てています。

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1970年代の文学的熱狂の中で言葉を研いだ氏の、イメージの切り取り方の源泉に触れる感覚。

詩を志す方以外にも、多くの方に刺激を与えうる作品です。

生田耕作より 手書き色紙「ぎをんにて」

生田耕作による手書きの色紙、祇園の宴席にて書かれた物のようです。達筆。

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墨絵のタッチも柔らか、日本文化全般に愛着を持った氏の穏やかな横顔が見えるよう。

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忙しい現代では宴席で歌をしたためる、どころか想いを込めて手で文字を記す、と言う行為が中々に遠くなっているかも知れません。

読書好き、本好きとして、一度ゆっくりと自分の言葉を持ち直したくなるような、清い印象の一枚です。

谷崎潤一郎 「倚松庵随筆」

有り余る抒情と感傷とを極めて透明な言葉に閉じ込めた作家、谷崎順一郎の繊細なエッセイ。

雨の降る日にそっとベッドサイドにあって欲しい一冊。

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時代を感じる版の取り様、そこから立ち上る普遍的な人の喜怒哀楽。

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函や表紙の状態も良好。

大切に扱われてきたのでしょう、本の中身とともに、しんみりとした優しさを感じさせる一冊です。

扇子 生田耕作より金子國義へ「ぎをん酔唄」

生田耕作による手書きの唄が附されたやや大振りな扇子、味のある筆遣いが華やか。

生田と画家・金子國吉が祇園に飲みに出た際に書かれた物です。

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艶っぽい水色が雰囲気です、ヨーロッパではエロチックなカラーと言えばピンクではなく薄いブルーらしいですが果たして…。

耽美派の巨匠二人の酒席ではどんな会話がなされたのか。

残された歌ひとつのみぞ知る、ですね。