マンディアルグ 著/澁澤龍彦 訳「ボマルツォの怪物」 初版美本

幻惑的な筆さばきで現在もファンを増やし続けるマンディアルグ、に澁澤龍彦訳の蛇の道の王道的作品。

函帯付き、非の打ち所のない保存状態。大和書店初版本。

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背函、帯に勿論本文まで一切の焼けもなく。

マンディアルグ・澁澤が月下の岩より切り出す鮮やかな物語の造形を、邪魔の入らない余白の上でお楽しみ下さい。

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何となく日本人的な感覚でお化け屋敷的な印象も持ってしまうイタリア・ボマルツォ村の怪物公園。

そこに漂う哀しみや愛の幽かな語らいを、夏の終わりにこそどうぞお聞き逃しなく。

久生十蘭「眞説・鐵假面」 初版函帯

演出家としても知られる久生十蘭の翻案物、「眞説・鐵假面」。

桃源社の初版、函帯付きの美本が入りました。

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薄紙越しの色合いが艶っぽい、函帯に若干の傷みありですが本体は健康です。

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雑誌連載時の資料が巻末についています。

鐵假面と言えば黒岩涙香の翻案が有名ですが、久生案のスピード感ある眞説も読む愉しさに溢れています。

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口述筆記での執筆や演出家としての経験などからか、言葉のテンポや歯切れに味のある久生作品。

一風違った筆致の妙を味わいたい方に。

鐵假面、他数作品入荷しております。

生田耕作一周忌 特別編集誌 「忘れられた詩人に捧ぐオマージュ」

日本に於けるフランス文学の普及に務め、惜しまれながらも旅立った生田耕作。

氏の一周忌に捧げられた極々簡素で美しい書物。

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凛としたご夫人の挨拶状にも、キラキラと氏の手が添えられているよう。

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翻訳者として多くの埋もれそうな名作美文を見つけ出し、ランプの照らす机の上で読者と楽しんできた氏の喪失は限りなく大きく悲しく。

そしてまた次代の文芸への確かな萌芽をもたらした氏の偉業を、ゆっくりと確かめる事ができる一冊です。

J.リゴー「自殺総代理店」 亀井聡・松本完治 共訳

不吉な、それでいてどこか喜劇的なタイトルが目を引くダダイスト・リゴー幻の名著。

フランス映画好きな読書人にも是非お薦めの一冊です。

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仏映画「鬼火」のモデルともなった文人は自らの心臓をピストルで撃ち抜いて…。

文学史の地下深く埋葬され名前すら忘れかけられながらも、この本が甦った事実。

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翻訳者の使命の1つ、気高い発掘。それを高度なレベルで実現している二人の作家とこの本に、どうか清い光が当たりますように。

石津ちひろ・著/宇野亜喜良・挿絵 「アナグラム人名図鑑」

近年注目の高い回文や集字法と言った言葉遊び業界、そしてポップなアナグラム遊びは是非こちらでご堪能を。

たっぷりのウノ・イラストもボリューミーで欲張りな一冊。

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東西の著名人・文人の名前をアナグラムの指が一撫ですると…。

軽妙奇妙なイメージに宇野亜喜良のタッチも酒脱です。

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一見してそれと分からない技巧派から心の沼の底を探り当てるような作家まで、あらゆるカラーを引き出せるアナグラム。

この本に触発されて、お気に入りのノートにカナやアルファベットをばら蒔いてみる一日もきっと楽しいでしょう。

生田耕作・訳/山本六三・装画 「バタイユ 大天使のように」重版美本

生田耕作訳によるバタイユ作品。

重版物ですが状態良好、山本六三作品でも特に人気の高い大天使シリーズの装画が楽しめます。

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表紙に押し加工、意識が転倒させられるような眩暈感あり。

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美文、美画、美装丁。文芸書に求められる全て。

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幻想文学にこそ必要なシャープな切れ味、切り立った陰影。

それらを強く紙上に立ち上らせる名著です、重版につきリーズナブルにお求め頂けますのでどうかお早めに。

トワイヤン&イヴシック・著/松本寛治・訳「塔の中の井戸~夢のかけら」 カラー12葉付豪華版

生田耕作の門下にて、その魔術的な翻訳術を学んだ松本寛司。

トワイヤンの妖艶かつお洒落なカット12葉にイヴシックの繊細な詩を添えて、エディションイレーヌより感嘆の吐息と共に。

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造本はアトリエ空中線。やはり間奈美子氏の仕事は、余白に魂がやどります。

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2016年、この夏から秋にかけてブルトン没後50年のイベントを主催する松本氏とエディション・イレーヌ。

フランス大使館の後援をも得るシュルレアリスムへの情熱とフランス文学に対する愛が、この一冊からもひしひしと伝わります。

ウィリー・ポガニー挿画「リヒャルト・ワーグナー タンホイザー組曲」普及版

ワーグナーのかの有名なオペラ「タンホイザー」。

ポガニーの美麗な挿絵が人気の一冊、時間を忘れて見入ってしまいそうな一冊です。

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多少の傷み・汚れあり。

本文、特に挿絵の発色は良好に残っています。

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カラー彩色画は取り外しも可能、鮮烈な印象をうけるペールトーン。

ページを繰るごとに目に飛び込んでくる言葉と図像のデザインに、何時の間にか我を忘れて酔いしれてしまいそう。

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一世紀半、それよりもずっと前から、書物に携わる人々は彼らのイメージを紙の上に現出させるために、あらゆる手段を作ってきたのでしょう。

今では滅びつつある贅沢で奔放な「書籍創り」の愉悦を、存分に楽しめる一冊です。

須永朝彦「天使」 初版帯・署名入り 他初版本

吸血鬼・亡霊・天使や悪魔などの幻想界を生きる存在と、今もっとも親しく交際していると思われる作家・須永朝彦。

装丁も麗しく、短編集「天使」の署名入り美本、入荷しております。

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流石のコーベ・ブックス。色の組み合わせもステンドグラス風のデザインも、全てがこの本にマッチしています。

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澁澤作品や荒俣氏の著述とは、また違った密度と軽妙さのある筆致。

インクから立ち上る印象は、負けじ劣らず幻惑的な美しさに溢れています。

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その他サイン本、初版本など多数入荷いたしました。

月の匂いにむせ返ってなかなか眠れない、そんな夏の夜は未知の世界への妖しい扉を、氏の本を片手に潜ってみたいものです。

ブレーズ・サンドラール著/生田耕作訳「リュクサンブール公園の戦争」 サバト館・献呈署名入り

スイスに生まれ、第一次世界大戦の後はフランスに生きた詩人・サンドラール。

サバト・イクタの名コンビが、戦争で片手を失いながらも激動の時代を生きた文化人の言葉を鮮やかに切り取ります。

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状態良し。

白昼夢のような印象を受ける詩人の言葉に、真っ白な装丁がよく合います。

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デフォルメの効いたキスリングの挿絵。楽しげな人物の輪郭がどこか不安を煽るよう。

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夏といえば8月15日という日付を連想する方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

激しい戦場を経験しながらも洒脱に生きた詩人の筆致に、夏の日は色々を思いたくなるような気がします。